仮想通貨(暗号資産)フラックスシェア(Frax Share/FXS)の特徴
ステーブルコインには3種類があり、その中のアルゴリズム型の代表だった「UST(TerraUSD)」は崩壊を招きました。
アルゴリズム型には、完全にアルゴリズムでコントロールしようとするタイプの代表だったUSTと、一部資産の裏付けを持ち、一部をアルゴリズムでコントロールするタイプがあります。
「フラックスシェア(Frax Share/FXS)」は、一部をアルゴリズムでコントロールしようとするタイプです。
今回は、この「フラックスシェア(Frax Share/FXS)」について解説していきたいと思います。
フラックスシェア(Frax Share/FXS)のアウトライン
発行上限 | 約1億枚 |
特徴 | フラクショナル・アルゴリズム型ステーブルコイン |
発行開始 | 2020年12月 |
フラックスシェア(Frax Share/FXS)は、ステーブルコインプロトコル「フラックスファイナンス(Frax Finance)」のシステムを支えるトークンの一つです。
「Frax Finance」は、フラックスシェア(Frax Share/FXS)とフラックス(Frax/FRAX)、2トークンシステムで構成されているため、デュアルコインとも呼ばれます。
「Frax Finance Coin(FRAX/FXS)」と表記されることもあります。
フラックスシェア(Frax Share/FXS)と2つあわせてステーブルコインという考え方もあるため、人によって解釈が異なる場合もあります。
フラックスシェア(Frax Share/FXS)の特徴
フラックスシェアの特徴について挙げていきます。
FXSはガバナンストークンでFRAXはステーブルコイン
フラックスシェア(Frax Share/FXS)は「Frax Finance」のガバナンストークンで、フラックス(Frax/FRAX)は、1FRAX=1ドルに調整されたステーブルコインです。
ステーブルコインは、基軸通貨として活用されるのが一般的です。
そのため、取引所では通貨ペアとして指定されていることも多いです。
一方、ガバナンストークンは、運営や開発についての方針を決める投票権のようなものです。
フラクショナル・アルゴリズム型ステーブルコイン
フラックスシェアは、ステーブルコインの中でも少し特殊なステーブルコインです。
アルゴリズム型のステーブルコインですが、一部資金の裏付けを確保するタイプでフラクショナル・アルゴリズムと呼ばれることもあります。
「1FRAX=1ドル」の1ドルに、その価値を裏付けるため、一部「USD Coin(USDC)」が担保されています。
ちなみにこの「USD Coin(USDC)」は、米ドルのペッグ通貨です。
また、この1ドルには共通資産として、フラックスシェア(Frax Share/FXS)も含まれています。
これは、1ドルにあわせるための調整役を担っているためです。
FXSを利用した「買い戻し」と「再担保化」機能がある
「Frax Finance」には、「買い戻し」と「再担保化」の機能があります。
これは、担保比率の変動によって生じた、Frax(FRAX)買い入れ時の担保の差を解消するためです。
担保不足となっている際に利用できる機能で、USD Coin(USDC)で、フラックスシェアを購入することが可能になっています。
フラックスシェア(Frax Share/FXS)の今後
フラックスシェアの将来性について挙げておきたいと思います。
マルチチェーン戦略
現在のところ、フラックスはイーサリアム上で最も流通していますが、アバランチ(AVAX)、BNBチェーン(BNB)、ポリゴン(MATIC)、ソラナ(SOL)など他の12種類のチェーンでも取引されています。
今後も各チェーンで購入する仮想通貨(暗号資産)の比率は高まっていくことが予想されます。
また、このようなマルチチェーン戦略と完全なアルゴリズム型にしないことで、レートの崩れはしにくいと思われます。
担保超過となっている際に利用できる機能で、フラックスシェアをバーンすることにより、担保となっているUSD Coin(USDC)を買い戻すことが可能になっています。