仮想通貨(暗号資産)インターネットコンピューター(ICP)の特徴
仮想通貨(暗号資産)の「インターネットコンピューター(ICP)」は、「DFINITY財団」によって立ち上げられたプロジェクト「Internet Computer」で使用されるガバナンストークンです。
「インターネットコンピューター(ICP)」は、容量を気にすることなく実行される世界初のブロックチェーンです。
ビットコインやイーサリアムに次ぐ3番目の重要なブロックチェーンと期待されています。
今回はこの「インターネットコンピューター(ICP)」について解説していきたいと思います。
インターネットコンピューター(ICP)のアウトライン
発行上限 | 約4.7億枚 |
特徴 | 分散型のクラウドサービスプラットフォームの構築 |
発行開始 | 2018年 |
コンセンサスアルゴリズム | Threshold Relay |
「インターネットコンピュータ(ICP)」は、現在の中央集権型のインターネットクラウドプロバイダに代わる、分散型のインターネットクラウドを提供するためプロジェクトです。
世界のクラウド市場は、大手3社「アマゾンウェブサービス(AWS)」、マイクロソフトの「アジュール(Azure)」、「グーグルクラウド(Google Cloud)」に牛耳られています。
このようなクラウドサービスをブロックチェーンで実現するプロジェクトになっています。
つまり、アマゾンやなどの企業によって管理されるのではなく、ICPを使って、従来のクラウドサービスプラットフォームを分散化するという試みです。
ICPは、インターネットコンピュータのガバナンス、ネットワーク参加者の報酬、および取引を行う際の手数料の支払いなどに使用されます。
インターネットコンピューター(ICP)の特徴
インターネットコンピューター(ICP)の特徴を挙げていきます。
高速スマートコントラクト
従来のスマートコントラクトはデータ処理が多くなると速度が落ちたり、手数料が高騰したりしていました。
ICPでは高速処理が可能になっているので、企業のサーバーを利用している時と同じような感覚でインターネット環境を実現出来ます。
ICPの処理スピードは、ビットコインの約900倍、イーサリアムの約150倍と言われています。
この理由は、少ないノードでデータ処理を行うからです。
コンセンサスの作業プロセスが少ないために処理時間が短く済むのです。
また、ブロックチェーンを利用しているので、改ざん不可能でありセキュリティー面の向上も図れます。
メタバースアプリの実装
ICPのネットワークでは、メタバースアプリを実装可能な仕様になっています。
現在多くの開発プロジェクトが進行中です。
これから間違いなく伸びるメタバース市場ですから、開発中のメタバースアプリが市場にリリースされて、ユーザーが増えればさらにICPのネットワークの価値は上昇することでしょう。
分散型のネットワークを活用したエコシステム
ICPではトークンの保有者が意思決定プロセスに参加して、プロジェクト運営などを決定していきます。
そこには特定企業の権力は存在しません。
世界のユーザによる民主的な方法で運営されていきます。
そして、このネットワークを利用して、DeFi・DApps・NFTなどのジャンルのサービスが開発出来るようになっています。
このエコシステムは拡大していき、自律的に成長していくことも特徴の一つと言えるでしょう。
インターネットコンピューター(ICP)の今後
インターネットコンピューター(ICP)の将来性について挙げておきたいと思います。
ビットコインやイーサリアムとの直接統合の予定
ビットコインとイーサリアムは、仮想通貨(暗号資産)全体の時価総額の半分を占めているほど信頼度が高い通貨です。
これらを売らずに運用するのは複雑な手続きが必要だったりします。
特にビットコインにおいては、スマートコントラクトの機能がないために、今までは不便でしたが、直接統合によって、スマートコントラクトの機能を実現できて、高速で低価格のトランザクションの処理も可能になります。
ICPの技術はインフラ革命
世界全体でサーバー運用にかかる費用というのは、年間で10兆円を軽く超えています。
この巨大なコストが無くなれば、IT関連業界の世界が一変するとも言われています。
それだけの大きなインパクトがあり、今までのGAFAの独占的データの取得や維持コストなどを分散型にすることで解決できるので、今後も注目されていくと思われます。
オープンソースによるエコシステムの拡大
ICP上で開発されるコードはオープンソースで、すべて無料で一般公開されています。
誰でも開発に着手できて、そのプログラミング言語もICPに最適化された独自のプログラミング言語「MOTOKO」を用意しています。
これは、Javascriptやその他の一般的なプログラミング言語に精通している人にとっては、分かりやすい言語だといわれていて、かなり短いコードでプログラムが組むことが可能です。
例えば、動画アプリの「TikTok」は約1,500万行のコードで動いていますが、これをICPで開発すると、たった1,000行以下のコードで作れるようです。