仮想通貨(暗号資産)の「クジラ」とは?
仮想通貨(暗号資産)で使われる言葉で、クジラという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「ビットコインでクジラの数が更新された」などというニュースは業界でよく見かけます。
今回は、仮想通貨(暗号資産)のマーケットをかき乱す大きな影響力を持つ、「クジラ」について、解説していきたいと思います。
仮想通貨(暗号資産)のクジラとは
仮想通貨(暗号資産)のクジラとは、市場において、大口を保有し大口取引を行う投資家を指す業界用語です。
クジラという言葉は、他の投資でも使用されることがあります。
基本的には、法人投資家などの機関投資家らを指しますが、実際はどのような人がクジラであるかはわかりません。
ビットコインを例に取ると、1000ビットコイン以上を保有する投資家を言うことが多いです。
ビットコインは、全ての取引がブロックチェーンに書き込まれるので、取引の分析することで、どのアドレスが誰かということはわかりませんが、どれだけ保有しているかはわかります。
2022年現在、1000ビットコイン以上保有しているアドレスは、2000以上あり、総保有数上位100アドレスで約15%、上位1000アドレスでビットコインの総量の約35%を保有しています。
この中には、グループが分散してアドレスを保有している可能性もあります。
クジラが相場に与える影響
クジラはマーケットに大きな影響力を持ちます。
テスラのイーロン・マスク氏が、ビットコインを大量購入したとする報道が出た時には、このニュースをきっかけに、当時の最高値を更新しました。
仮想通貨(暗号資産)で一番メジャーなビットコインでさえ、簡単にクジラの豊富な資金力で相場を簡単に動かせるのですから、他のアルトコインなどの草コインでは、もっと影響が出やすくなります。
その手順は次のとおりです。
- 大量の資金力を使って、レートを上げたいコインを買い集めます。
- レートが上がっていきます。
- その他の一般投資家も注目し始めて、買いが買いを呼び込む形になります。
- ある程度レートが上がったところで売り抜きます。
このように株式の仕手筋と同じように、意図的に相場を作ることが出来て、大きな利益を出すことが可能です。
ただし、全てが成功するわけではありません。
大量に草コインを購入しても、他の投資家の注目を浴びて買いに至らせられなければ、売り抜いても損失を出すことがあるからです。
そういう意味では、クジラは、将来性がある草コイン見極める必要性があるでしょう。
しかし、将来性があっても1万種類以上ある仮想通貨(暗号資産)ですから、確実に上がるという保証もありません。
実際はこのように、簡単ではないので、メジャーなコインや準メジャーなコインでの売買で利益を上げていくのが一般的でしょう。
クジラの動向を知ることは出来ないのか?
こういった、相場に影響を及ぼすクジラの大口売買の傾向はつかめないものなのでしょうか?
実はあります。
「Whale Alert(ホエールアラート)」というサイトがあり、高額のトランザクションを検知してTwitterや公式サイトに表示させているものです。
主に、ビットコインの高額送金、有名なアルトコインの高額送金、USDTなどのステーブルコインの発行・送金、盗難ウォレットの送金などを通知できます。
無料で使用は出来るのですが、公式サイトからは、有料プランで、少額送金でのトランザクションや絞り込みアラートの設定などが細かく行えます。
クジラの動きをほぼリアルタイムで見ることが出来るというのは、機関投資家らと同じ武器を持つようなものです。
上手く使って売買タイミングを図ったり、リスク管理に役立ててみると良いでしょう。