円安・円高と仮想通貨(暗号資産)の関係
円安は2021年からジリジリと始まり、2022年の2月末から一気に進みが激しくなりました。
その期間の動きはなんと40円以上と、1.4倍もの円安ドル高が進んだことになります。
為替と仮想通貨(暗号資産)の関係はどのようになっているのか?
これらについて解説していきたいと思います。
法定通貨と仮想通貨(暗号資産)の関係性について考えてみる
モノや通貨は通常。需要と供給のバランスによってそのレートが決まっていきます。
異常な通貨安・通貨高が出た場合には、金利や通貨の発行を操作してバランスを取ろうとします。
ですが、仮想通貨(暗号資産)の場合、投資商品としてレートが決まっていくことが多いので、法定通貨とはあまり関係がないことが考えられます。
ただし、それは以前の考えであって、仮想通貨(暗号資産)の時価総額というのは、莫大になってきていますので、法定通貨との関係も無視できない状態にはなってきています。
仮想通貨(暗号資産)と円安の関係性について考える
仮想通貨(暗号資産)はリスク資産と言われており、法定通貨で資産を持っていても増えない円安状況であれば、仮想通貨(暗号資産)などに目が向けられて、買われやすくなることが考えられます。
ただし、単純にはいかないのがこの世の中です。
値動きの激しく予想がつきにくい仮想通貨(暗号資産)ではなく、他の通貨を資産として持つ方が値動きが読みやすいこともあり、事実、2022年度の超円安ドル高時も、円とドルの金利差かドルが買われて円が売られる傾向がさらにつよくなり、仮想通貨(暗号資産)のレートは下がり気味です。
他の商品先物や世界情勢によって複雑な動きをするので、円安との関係はその中の一つの要因ぐらいと考えておいた方がいいと思われます。
仮想通貨(暗号資産)と円高の関係性について考える
円が買われる円高の状況になる時は、戦争が起きたり大きな災害が起きたり、世界的に経済が不安定な状況で起こります。
「有事の円買い」と昔からよく言われていて、大きなテロや戦争が起きた時は、円高傾向になりました。
ですので、リスク資産の仮想通貨(暗号資産)は、売られる傾向にあります。
また、有事の際は、安全資産として金も買われやすくなります。
ビットコインなどは発行上限があるデジタルゴールドとも呼ばれているので、買われる傾向も見受けられることがあります。
しかし、2022年度は円に関しては円高にはなりませんでした。
ロシアのウクライナ侵攻が世界情勢に大きな影響を与えましたが、円安に拍車がかかった状態になりました。
実際のチャートを見てみる
では、実際はどのような動きになっているのか、チャートを見てみましょう。
赤色は米ドル円のレート、オレンジ色は日本円ベースのビットコインのレート、青色は米ドル円ベースのビットコインのレートの騰落率を表したものです。
2022年9月14日現在から1年間遡っての%を表しています。
これを見る限り、円安ドル高になるに連れてビットコインのレートは下がっていくという関係性が見て取れます。
ただし、相関関係が見られない時期もあります。
2021年の段階では為替の動きは比較的なだらかですが、ビットコインの価格は上昇しています。
これは、仮想通貨(暗号資産)業界で、NFTやDeFiの第一次ブームが起こった時期あたりです。
これを見る限り、相関関係が出たり出なかったりするというのが正直なところです。
まとめ
結局、円安・円高と仮想通貨(暗号資産)の関係性というのは単純に答えが出せるというものではないということが上記を見ていただけるとわかったかと思います。
為替相場しかり、株安・株高も同じ様な考えでいいでしょう。
むしろ、私が考えるに、仮想通貨(暗号資産)業界での革新的な技術の発表や大きな話題性の方がレートに影響が出て、他のマーケットとの連動性や相関関係は二の次という感じを受けています。
多種多様な要因を含めて、さらにチャート分析なども加味していくと、今後の方向性を導き出すヒントとなり得るでしょう。