ブロックチェーンとファッション業界

ブロックチェーンとファッション業界

近年、ルイヴィトンやプラダなどのいわゆるブランドと言われる企業もブロックチェーンを導入し始めています。

誰でも情報を確認できるという透明性のあるシステムが、アパレル業界などやラグジュアリーブランドからも注目されています。

今回はブロックチェーンを導入している理由やその実例を解説していきたいと思います。

ブロックチェーンをファッション業界で導入するワケ

ブロックチェーンは、私達の生活に着実に根付きその活用が増えてきています。

それは、ファッションやアパレル業界業界も例外ではありません。

アパレルブランドがブロックチェーンを導入する理由は、一言でいうと誰でも情報を見ることが出来るからです。

この透明性がブランドや消費者にとって、お互いに利益になります。

偽造品や模造品などのコピー商品の防止

人気ブランドのコピー商品の問題は、昔から無くなっていません。

毎年、多くのコピー商品が税関で発見され、輸入の差し止め件数も減少しませんでした。

近年は、その作りも巧妙になり、素人では判別がつきにくかったりするものです。

偽造品や模造品の業者が稼ぎ出す金額は、おおよそ、年間で約70兆円とも言われています。

ブロックチェーンを利用することにより、材料の原産地から販売時点、中古市場までの製品情報を追跡することが出来ます。

ブランド側もコピー商品の対策として有効であるのはもちろん、ユーザー側も商品が偽物ではないかどうかも確認出来るようになるので、これまでより安心して購入することが出来ます。

生産過程の透明性

近年は、モノを消費するだけでなく、SDGsへの関心も高まり、環境への負荷や働く人の労働問題なども社会問題となっています。

生産工程などの情報をユーザーがブランドのアプリなどを利用することで、詳細な製品情報を記載した証明書などが入手出来る仕組みもあります。

また、ユーザー側に製品の保証サービスや手入れ方法などのアフターサービスを受け入れる仕組みや、製品の品質や技術や製造秘話などを伝えることによって、ユーザーとブランドとの関係性を強くすることも可能になります。

ブロックチェーンを導入したアパレルブランドの例

ブロックチェーンを導入し活用している実際の企業を挙げていきます。

LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)

家にある高級品の中には、各家庭に一つは触れたことがある世界最大のラグジュアリーブランドです。

おなじみの「ルイヴィトン」や「フェンディ」、高級ジュエリーの「ブルガリ」や「ショーメ」、シャンパンで有名なドンペリニヨンの「モエ・エ・シャンドン」など、多くのブランドを保有しています。

2021年の4月に、LVMHはプラダとリシュモン傘下のカルティエと共同で、初のグローバルラグジュアリーブロックチェーン「Aura(オーラ)」設立を発表しました。

偽造品・模造品の流通を防ぐために導入したのがキッカケになっています。

H&M

世界的に有名なファストファッションブランドとして、日本でも一大旋風が起きたときもありました。

H&Mグループは、ブロックチェーンを活用して自社ブランド「Arket」の商品管理テストを行っています。

「VeChain」というブロックチェーンを利用しています。

アプリを使用して商品の詳細な情報を確認できるようになっています。

このように、簡単にユーザーが商品情報を確認出来ることは、ブランドの信用にも繋がります。

BABYGHOST(ベイビーゴースト)

BABYGHOSTは、ニューヨークと上海をベースとするファッションブランドです。

導入時期は2017年からと早めです。

H&Mと同様に、「VeChain」を導入し、商品にスマホをかざすことで、デザインの素材・生産地・コンセプトなどの詳細情報がわかるようになっています。

ブランドへの理解を深め愛着を持ってもらうための取り組みになっています。