「ガバナンストークン」とは?わかりやすく解説します
仮想通貨(暗号資産)を掘り下げて学習していくと、「ガバナンストークン」というワードが出てきます。
NFTのゲームで遊ぶ際にも、ゲーム内の購買に利用されるトークンだけでなく、「ガバナンストークン」が存在するものもあります。
今回は、「ガバナンストークン」について解説していきたいと思います。
ガバナンストークンとは
ガバナンストークンとは、トークンにまつわるプロジェクト(DAO)の運営に関わる議決権をもったトークンです。
ガバナンストークンの保有量に応じて、プロジェクトの意思決定の権利が与えられます。
意思決定はガバナンストークン保有量に応じた多数決で行われますので、株式の保有数によって議決権が変わる仕組みに近いです。
ガバナンストークンの発行理由
なぜ多くのプロジェクトがガバナンストークンを発行するのでしょうか?
その理由を探ってみたいと思います。
ユーザーの意思反映がなされやすい
ガバナンストークンを利用した意思決定は、ユーザーから納得感が得られやすくなります。
トップダウンでの運営方針の決定より、民主的な意思決定の方がプロジェクトに愛着も湧いてきて前向きな方針になりやすいものです。
権力の分散化
ガバナンストークンを配布することで、運営の権力を分散化させることが出来ます。
中央集権では、官僚的な社会になりがちです。
そこには、不正や縁故、えこひいきなどが生まれやすいものです。
組織運営を健全にするという意味もあると言えるでしょう。
流動提供の返礼
ガバナンストークンは、DEX(分散型取引所)において、流動性提供の返礼として使われます。
DEXのリスクの一つに、流動性がなくなることがあります。
流動性がなくなれば、取引がスムーズに行われません。
ユーザーが、流動性を補うための流動性プールを提供することで、手数料としてガバナンストークンを受け取っています。
そして、ガバナンストークン自体に価値が付くこともあります。
ガバナンストークンの活用事例
ガバナンストークンを発行して組み込んでいる代表的なプロジェクトを見てみましょう。
Uniswap
イーサリアムベースで稼働するDEX(分散型取引所)です。
ガバナンストークン「UNI」が採用されておて、発行時には既存ユーザーに対するエアドロップが行われたことでも話題になりました。
また、Uniswapへの流動性提供は誰でも行えるため、資金さえあればイールドファーミングを行うことも可能です。
Curve
USDドルの価格と近い価格になるよう設計された「ステーブルコイン」を中心にしたDEX(分散型取引所)です。
ステーブルコインが中心のため、Uniswapと比較すると価格変動リスクが小さいというメリットがあります。
ガバナンストークン「CRV」が採用されています。
トークンエコノミーの一部となる可能性
ガバナンストークンは株式の代わりになる可能性があります。
ガバナンストークン自体は、価値が上がることもありますが、基本的にはトークンの価値の上昇でしか利益は出ません。
ですので、ユーザーは、トークンの価値が上がるような行動や投票行動をするようになります。
このようなトークンを中心にした経済圏のトークンエコノミーが成立していくことで、また新たなコミュニティーや価値が生まれてく可能性があります。