メタバースの活用と金融業界

金融業界でのサービスというのは、デジタル化が進む業界ではあります。

現代はスマホ等のモバイル機器の普及によるサービスが目白押しですが、今後はメタバースの活用も進むと思われます。

今回は、このメタバースの活用と金融業界について解説していきたいと思います。

金融業界がメタバースに興味を持つワケ

なぜ、金融業界はメタバースに進出するのでしょうか。

その理由について考えてみます。

デジタル資産の使用頻度の増加

メタバース内の空間では、仮想通貨(暗号資産)のようなデジタル資産を使った決済が主流となっています。

そうなると、仮想通貨(暗号資産)を管理するためのウォレットがメタバース空間において、どうしても必要になってくるでしょう。

これに対応するための選択肢としてメタバースへの進出は避けられないと言えます。

金融ビジネスが多様化している

金融ビジネスは多様化してきています。

メタバース空間上での不動産購入のための住宅ローンの提供・メタバース上での保険販売・証券会社によるマーケットのバーチャル相談体験、など数々の試みが行われています。

今後のメタバース空間における金融商品のやり取りは、アバターを通して金融サービスが展開されることになるかもしれません。

ですので、既存のチャネルを根底に考えつつ、自由な発想を持ちながらメタバース空間の利用者の数を増やしていく必要があります。

金融業界でのメタバースの活用方法

金融業界におけるメタバースの参入パターンにはいくつか存在し、活性化が期待されています。

どのように金融サービスがメタバース上で展開されるのかを紹介していきます。

新たな営業チャネル

新たな営業チャネルとしてメタバースを活用していきます。

例として、メタバース内に店舗を設営し、現実の店舗と同様のサービスを提供することで、プロモーションとして活用することが期待できます。

ユーザーにとって、金融機関の店舗に直接向かわずに、時間と場所を選ばないという利用ができるメリットがあります。

企業側は、メタバースに嫌悪感や忌避感を示さない若年層のユーザーの取り込みが期待できます。

また、窓口業務のコストカットもできるというメリットもあります。

新たな金融サービスの提供

メタバース上で新しい金融サービスを提供することが想定されています。

既存サービスの並行の提供、取って代わるものもありますが、メタバース特有の金融サービスもこれから誕生することでしょう。

例えば、メタバース上の活動においての収益サービスの提供やNFT等のメタバース上のコンテンツに対する様々なサービスなどが挙げられます。

メタバースでのデータ活用

メタバース上でのデータを活用して金融サービスのマーケティングや需要予測等に活用することが可能です。

メタバース内に現実設置予定のインフラを再現し、シミュレーションを行うことで、現実での予測に活用することが出来ます。

金融業界でのメタバース活用事例

すでに実施されている金融業界でのメタバースの活用事例について紹介していきます。

みずほ銀行

メタバース空間「パラリアル大阪」内に、みずほ銀行の特徴的な深い青色でデザインされた建物が登場しています。

この建物の1階は銀行の店舗のような交流スペースとして、2階以上はボルダリング体験が可能な建物として設計されています。

三菱UFJ信託銀行

三菱UFJ信託銀行は、日本大手のメタバースプラットフォーム「Cluster」上で新卒社員の採用イベントを行いました。

面接会場を3DCG技術を用いてバーチャルに再現し、就職活動中の学生がメタバース空間内でのオフィス訪問まで可能になっています。

近年のコロナ禍によって、新卒採用における企業訪問に歯止めがかかっている状況を打開する手段のひとつとして各企業からの注目が集まっています。

このイベントでは、企業の紹介や人事部とのディスカッションセッション、さらには内定者との交流会までも行われました。

JPモルガン

アメリカの大手銀行のJPモルガンが、メタバース市場に積極的に参入しています。

ブロックチェーンを基盤とする人気の仮想世界「Decentraland」に「オニックスラウンジ」というバーチャルスペースを開設しました。

訪問者は上階で仮想通貨(暗号資産)の経済に関するプレゼンテーションを視聴することができます。

損保ジャパン

損保ジャパンは、ANAホールディングスグループ傘下であるANA NEOと提携しています。

ANA NEOはバーチャルトラベルプラットフォーム「SKY WHALE」をリリースしました。

このプラットフォームは「時空を超える旅客機」というコンセプトで、、3つのセクションで構成され、スマートフォンなどからアクセスが可能です。

また、「SKY WHALE」を通じて、メタバースでの保険商品開発などを検証しています。

両社はこの提携を通じて、Web3.0やメタバース市場での事業展開の関係をさらに強化する機会となっています。