ブロックチェーンのメリット・デメリットをわかりやすく解説します
先端技術として私達の暮らしにも確実に根付いてきているブロックチェーンは、今後もその活用範囲をさらに拡大してくることは間違いありません。
ただ、漠然として利用価値があるというイメージがありますが、そのメリットとデメリットはどういうことがあるのか理解しておきたいところです。
今回は、このブロックチェーンのメリット・デメリットについて解説していきたいと思います。
ブロックチェーンのメリット
ブロックチェーンメリットについて挙げていきます。
セキュリティが強固
ブロックチェーンは公開鍵等により信頼性を高め、コンセンサスアルゴリズムなどによりデータを改ざんしにくくしています。
取引をまとめたブロックを作成し、それを時系列的に繋いだチェーンのデータベースになっています。
ブロックの中には一つ前のブロックの情報が入っているため、それによって改ざんがしにくくなっています。
新たなブロックの生成はコンセンサスアルゴリズムに従い、その条件を満たす必要があります。これにより取引内容の改ざん等の不正を防ぎ、安全にシステムを運用できます。
ですので、ブロックチェーンに割り込み、悪意のあるデータを紛れ込ませるのは現実的には非常に困難です。
情報の透明性が高い
ブロックチェーンは誰でも参加が可能で情報の透明性が高いです。
利用者が不特定多数のパブリックブロックチェーンであれば、トランザクション内の取引データは全て公開されており、参加者であれば誰でも見ることが可能です。
システムがダウンしない
ブロックチェーンは分散型データベースであるため、ネットワークに参加する複数のマシンによって運用されるので、全てのマシンが同時にダウンしない限りシステム全体としては稼働し続けることが可能です。
中央集権型では、サーバーが攻撃されたり故障したりすると、すべてのサービスが停止してしまいます。
一方、ブロックチェーンでは、分散型であるために、どこかのマシンに不具合が出たとしても、他のマシンの力で動き続けることができます。
データの信頼性の担保がある
ブロックチェーンでは、取引データを複数のマシンが共有します。
この時、それぞれのマシンがデータを検証しながら拡散させていきます。
そして検証された複数のトランザクションがネットワーク内のいずれかのマシンによって一つのブロックにまとめられます。
ブロックもコンセンサスアルゴリズムによって正当性を検証され、条件をクリアしたブロックがチェーンとして繋げられていきます。
こういった仕組みによってデータの信頼を担保しています。
コストが安い
ブロックチェーンではサーバーを持たず、ネットワーク上のマシンでデータを分散管理するために、運用コストを安くすることが可能です。
従来の中央集権型の仕組みでは、サーバーやネットワークの構築や維持に膨大なコストがかかりました。
ブロックチェーンそのものに改ざん防止などの特性があるため、トータルでコストが安くなる傾向があります。
ブロックチェーンのデメリット
全てがよく見えるブロックチェーンですが、デメリットはないのでしょうか。
ここではデメリットを挙げておきたいと思います。
データの修正・削除が困難
ブロックチェーンは新しいブロックを次々に繋げていくことしかできません。
その仕様上、過去の任意のブロックを修正したり削除するといったことは不可能です。
スケーラビリティ問題でガス代の高騰や処理速度が遅いことがある
スケーラビリティ（ブロックチェーン上での取引の処理能力）は高ければ高いほど短時間で取引を処理できます。
ただし、取引数が多くなると、コンセンサスアルゴリズムによるデータの整合性の検証に時間がかかり、処理時間が遅くなってしまうことがあります。
また、取引手数料のガス代が高いと優先的に処理する仕組みもあり、ガス代の高騰も問題になることがあります。
新しいブロックチェーンでは、このコンセンサスアルゴリズムを様々な形態にしその特性に応じて使い分けられています。
悪意を持った利用者の可能性
パブリックブロックチェーンの場合、オープンで管理者を必要としないシステムであるために、悪意を持った利用者が現れる可能性があります。
悪意のあるグループ等が参加者全体の処理能力の51％を超える処理能力を持つとブロックチェーンに対して自由に操作することが可能になります。
ただし、そのための莫大な費用やブロックチェーンの特性上その攻撃は簡単ではありません。
完全ではないですが、不特定多数の利用は心配ないとは言えるでしょう。
データの巨大化
ブロックチェーンもデータを扱うものですから、その扱いをやめない限り、データは巨大化していきます。
その対処として、必要な部分を残す「剪定ノード」やブロックのヘッダだけの情報を持つ「ライトノード」を利用することにより、問題を解決してきています。
これですと、ネットワーク内の全てのマシンに完全なブロックチェーンのデータを保持する必要はないので、扱いやすくなっています。
