仮想通貨(暗号資産)アービトラム(ARB)の特徴

仮想通貨(暗号資産)アービトラム(ARB)の特徴

イーサリアムのブロックチェーンは、需要の多さによって処理の遅延やガス代の高騰が起こっています。

この問題を解決する手段として、処理の一部を引き受けるレイヤー2ブロックチェーンが数多く開発されています。

今回取り上げる「アービトラム(Arbitrum)」も、そうしたレイヤー2ブロックチェーンを開発するプロジェクトの1つに数えられています。

アービトラム(ARB)のアウトライン

発行上限100億枚
特徴イーサリアムレイヤー2ソリューション
発行開始2023年3月

アービトラム(Arbitrum)は、イーサリアムチェーンのレイヤー2ソリューションを開発するプロジェクトです。

アービトラムでは、「Arbitrum One」と「Arbitrum Nova」という、利用目的がそれぞれ異なる2種類のレイヤー2ブロックチェーンが開発されています。

レイヤー2ブロックチェーンとは、メインチェーンに接続される2層目のブロックチェーンのことで、本来メインチェーンでおこなわれる取引の一部を引き受けることにより、メインチェーンの処理速度向上や負荷軽減に貢献しています。

ARBトークンはアービトラムのガバナンストークンです。

アービトラム(ARB)の特徴

アービトラム(ARB)の特徴について挙げていきます。

ロールアップによって、高速で低コストでの利用が可能

アービトラムのレイヤー2ブロックチェーンでは、ロールアップの1種である「オプティミスティック・ロールアップ」が採用されています。

ロールアップ

取引の一部をメインチェーンの外で処理した後、ひとまとめにしてレイヤー1に記録する技術を指します

こうすることで、レイヤー1のセキュリティ性能を活かしつつ、レイヤー1の負荷を抑えて処理の遅延や手数料の高騰を解消することができるようになっています。

「オプティミスティック・ロールアップ」では、不正がないという前提で処理を行い、セキュリティの一部をイーサリアムチェーンに担保してもらうことで、高速かつ低コストでの処理を可能にしています。

2種のブロックチェーンの開発

アービトラムには、「Arbitrum One」と「Arbitrum Nova」という2種類のレイヤー2ブロックチェーンがあります。

「Arbitrum One」はメインブロックチェーンでDeFiプロトコルやNFTでの利用に適したブロックチェーンで、「Arbitrum Nova」はブロックチェーンゲームとソーシャルアプリでの利用に適しています。

EVMの互換性

上記に挙げたアービトラムの2つのレイヤー2ブロックチェーンは、いずれもEVMの互換性が有ります。

イーサリアムで用いられるプログラミング言語で書かれたソースコードを、修正なしで稼働出来るので、イーサリアムチェーンを基盤として開発されたDAppsを、アービトラムのレイヤー2ブロックチェーンへと容易に移植出来ます。

アービトラム(ARB)の今後

アービトラム(ARB)の将来的について挙げておきたいと思います。

レイヤー2市場でのリード

イーサリアムのレイヤー2の市場規模は急激にに増加していて、その中でアービトラムは、市場シェア50%を超えてトップを獲得していて、レイヤー2市場の競争を一歩リードしています。

Arbitrum DAOへの移行

アービトラムは、これまでは、開発元の「Offchain Labs」によって運営されていました。

今後は、「Arbitrum DAO」への移行が決定しており、ARBトークンの保有者はDAOでの投票によって、「Arbitrum One」と「Arbitrum Nova」の運営に関わる意思決定に参加することが出来ます。

Arbitrum Orbitのリリース

「Arbitrum Orbit」は、レイヤー3のブロックチェーンです。

新規のプロジェクトを立ち上げ、DAppの構築や仮想通貨(暗号資産)の発行が可能になると考えられます。

これにより、アービトラムのエコシステムの恩恵を受けれるということになります。