仮想通貨(暗号資産)のTVL (Total Value Locked) とは?わかりやすく解説します
仮想通貨(暗号資産)でDeFi関連のニュースを読んでいると、「TVL」という言葉が出てきます。
「イーサリアムのTVLが記録更新」などという見出しもちょくちょく見かけます。
あなたがDeFiでの投資をする上では、「TVL」はぜひとも知っておいたほうがいいキーワードですので、しっかりと身につけておきましょう。
TVL (Total Value Locked)とは
TVLの説明の前に、Lの部分、「ロック」について解説しておきたいと思います。
ロックは一言で言うならば、トークンを預けることです。
銀行の預金や担保を入れるなどと同じような意味です。
少し踏み込んで言うと、スマートコントラクトにステークすることになります。
このことからTVLを説明すると、DeFiプロジェクトに預けられている仮想通貨(暗号資産)の総額を示す指標ということになります。
投資家がDeFiのプロジェクトに預けている総額ですので、市場価値がどの程度なのかをおおよそ知るために使用される指標ということになります。
総量でなく総額で表されるのは、仮想通貨(暗号資産)の価値というのは、法定通貨でしか示すことが出来ないからです。
具体的にTVLの価値を測定する対象は、ステーキング、レンディング、流動性プールというようなプラットフォームに預けられた仮想通貨(暗号資産)の総量です。
DeFiのアプリが保有しているTVLの合計がDeFi全体のTVLとなります。
TVLの3タイプ
DeFiの価値測定のTVL3タイプを解説しておきます。
分散型取引所(DEX)
分散型取引所(DEX)では利用者がAMMを利用して仮想通貨(暗号資産)を取引します。
プールに保有されている価値の合計がTVLになります。
UniSwap(UNI)・SushiSwap(SUSHI)などがその例です。
貸借プロトコル
流動性プールを活用して利用者に貸出を行い、利用者がプールから資金を借りることができるようにすることで、貸付・借り入れプールに保有されている価値の合計がTVLになります。
Maker(MKR)・Aave(AAVE)などがその例です。
利回りの最適化
貸借のプラットフォーム間で利用者の投資を最適化するアルゴリズムが採用されていて、アプリが自動的にポートフォリオを管理してくれます。
利用者は資金を預けてアルゴリズムが導き出す利回りが高いプールに資金を割り当てます。
この利用者からアプリに貸し出される価値の合計がTVLになります。
Convex Finance (CVX)・Balancer (BAL)などがその例です。
なぜTVLは重要なのか?
TVLはDeFiのプロジェクトに投資している仮想通貨(暗号資産)の総額ですから、TVLが大きい銘柄は、現在資金が流入している安定性がある人気の銘柄と判断出来ます。
ただし、変動率も小さくなるので、リターンは小さめということになります。
一方、TVLが小さい銘柄は、新しい銘柄となりますので、これから成長性が期待できるということで、リスクを取ってリターンを大きく狙うということが出来ます。
ですので、TVLが単純に大きい・小さいだけで判断するのではなく、投資スタイルによって、狙う銘柄は変わってきます。
TVL比率も気を付けて見る
TVLだけでなく、TVL比率も合わせて知っておきたい指標です。
TVL比率 = 供給トークンの時価総額 ÷ TVL
で表されます。
TVL比率が大きければ現在の価値に対して、時価総額が大きくなっているということですので、過大評価され、現在は過熱気味になっていると推測できます。
逆に、TVL比率が小さければ、そのプロジェクトは過小気味に評価されているので、今後投資対象に値するという考え方が出来ます。
まとめ
TVLもTVL比率もDeFiを使って取引する人たちの利用状況が反映されるので、投資対象になるかどうかの指標として判断するのには一役買えることが出来ます。
ただし、どちらもただの指標に過ぎませんから、過信はしない方がいいでしょう。
数値だけで測りきれないというところが投資の面白いところでもあり、難しさでもあります。