仮想通貨(暗号資産)ビットコインSV(BSV)の特徴
2009年に登場したビットコインは、従来の法定通貨や銀行システムの概念をひっくり返すようなものと言われ、金融の革命児とも呼ばれています。
ですが、取引速度の遅延や手数料の高騰という課題が残されています。
ビットコインの基本性能は引き継ぎながら、欠点を解消しようとする通貨も登場しています。
今回はその一つの「ビットコインSV(BSV)」について解説していきたいと思います。
ビットコインSV(BSV)のアウトライン
発行上限 | 2100万枚 |
特徴 | ブロックサイズの拡大 |
発行開始 | 2018年11月 |
コンセンサスアルゴリズム | プルーフ・オブ・ワーク |
ビットコインSVは、ビットコイン・キャッシュからハードフォークした通貨です。
ビットコイン・キャッシュはビットコインからハードフォークした通貨ですから、2回のハードフォークを経てビットコインSVが誕生したことになります。
1回目のハードフォークは、ビットコインユーザーの増加によるスケーラビリティ問題で、オフチェーンのセグウィット(SegWit)で解決を図るビットコイン派と、オンチェーンでブロックサイズの拡大で解決を目指すビットコイン・キャッシュ派に分裂しました。
2回目のハードフォークは、ビットコイン・キャッシュのスマートコントラクト機能の実装などのアップデートについて、賛成のビットコイン・キャッシュ派と反対のビットコインSV派に分かれています。
ビットコインSV(BSV)の特徴
ビットコインSVの特徴について挙げていきます。
ブロックサイズの拡大
ビットコインSVは、ブロックのサイズがビットコインの4000倍という大きさになっています。
ビットコインの1ブロックのサイズは1MBですからビットコインSVは4GBとなります。
ブロックのサイズが拡大すれば、取引履歴も多く記録でき、取引速度も速くなり、手数料も安くなります。
ビットコイン | ビットコインキャッシュ | ビットコインSV | |
ブロックサイズ | 1MB | 32MB | 4GB |
取引速度(1秒あたり) | 約5 | 約120 | 約10000 |
手数料 | 約2ドル | 約0.0035ドル | 約0.0005ドル |
スマートコントラクト機能の実装が可能
ビットコインSVは、特定条件下で動作するプログラミングのスマートコントラクトの実装が可能です。
これにより、イーサリアムと同じように分散型アプリ(DApps)の構築も可能になっています。
ビットコインの資産価値と決済手段という機能を引き継ぎながら、アプリ開発も出来るというのは、強みになります。
ゼロ認証トランザクション
ゼロ認証トランザクションは、セキュリティー面での認証制度が不必要になり、複数の処理を一つにまとめたものを指します。
これによりトランザクションの高速化が図れます。
ビットコインSV(BSV)の今後
ビットコインSVの将来性について挙げておきたいと思います。
イーサリアムのスマートコントラクトから自動変換が可能になる
2022年の5月にビットコインSVの開発者投資家が集まる会議で、イーサリアムのスマートコントラクト開発言語をビットコインSVの言語に自動で変換するツールが紹介されました。
これにより、イーサリアムで人気のアプリがビットコインSV上でも使用できるようになります。
ただ、自動変換出来るのは約8割といったところで、あとの2割はプログラマーが手動で変換する必要性があります。
中央集権型である
多くの仮想通貨(暗号資産)が分散型を推し進める中、ビットコインSVは、中央集権よりです。
これにより、ユーザー間での直接取引は行われません。
そういった意味ではシンプルではあるものの、今後どういった評価が下されていくかは注目です。