「オフチェーン」とは?わかりやすく解説します
仮想通貨(暗号資産)はブロックチェーンを利用して様々な取引を行っています。
取引の際にブロックチェーンを用いて行う取引を、「オンチェーン取引」、ブロックチェーンの外側で行う取引を「オフチェーン取引」と言います。
今回は、この「オフチェーン」について解説していきたいと思います。
オフチェーンとは
オフチェーンはブロックチェーンの外側で取引を行うことを指します。
オンチェーンでの取引は、全ての取引が記録されていくのに対して、オフチェーンでは、取引の最初と最後の最終的な取引の結果だけが主のチェーンに記録されます。
取引の部分的な記録がオフチェーンの特徴です。
オフチェーンを利用することで、処理できるトランザクションの量を数百倍~数千倍にすることが可能になります。
これにより、仮想通貨(暗号資産)のスケーラビリティ問題の解決に、一役買うということで注目されています。
オフチェーンの簡単なメカニズム
ここで、簡単な例を見てみましょう。
AからCへ0.01BTC送金する取引しようとします。
通常であれば、A→C、というチャネルが必要ですが、既存のA→B、B→Cというチャネルがあれば、それを利用してA→Cの取引が可能になるということです。
オフチェーンでは、A→Cに0.01BTC移動したという取引が記録されるだけになります。
実際には何十回、または2者間だけではなく、3者間、それ以上のネットワークでの取引をオフチェーンにすることによって、取引が可能になっています。
オフチェーンのメリット
オフチェーンのメリットをいくつか挙げてみます。
スケーラビリティ問題の解決
オフチェーンを利用した技術でトランザクションの数自体を減らして、送金詰まりの解消や手数料の高騰を避けることが出来ます。
ブロックサイズを大きくしなくても済むことも利点と言えるでしょう。
高速取引
通常のオンチェーン取引では、個々の取引がブロックチェーンに記録されるまで取引が完了しません。
ですが、オフチェーンの場合、基本的にマイニング作業がないので、高速での取引を行うことが出来ます。
手数料の抑制
オフチェーンでは、トランザクションの数自体が減るので、マイニングの回数が必然的に減ります。
ですので、仮想通貨(暗号資産)を利用するユーザーは手数料を抑えることが出来ます。
オフチェーンのデメリット
一方で、オフチェーンにはデメリットも存在します。
取引の相互監視がしづらい
どのような取引が行われているのか、全容がつかみにくくなります。
このような取引のブラックボックス化は、透明性があるとは言い難いでしょう。
セキュリティーの問題
オンチェーンでは、セキュリティー問題は重要事項である前提であるために、ほとんど無視出来るような状態ですが、オフチェーンでは、一時的にブロックチェーンから切り離されたところで取引が行われるために、他者からの攻撃を受けやすくなります。
中央集権的になることもある
仮想通貨(暗号資産)の一番の特徴である、分散管理が維持できないこともありえます。
それは、中継者が大きな額を確保しなければならないからです。
そうなると、一部の資金力のある組織が仲介し、中央集権的になる場合もあるということです。
オフチェーンの活用事例
オフチェーンの活用事例を挙げてみます。
ライトニングネットワーク
ビットコインのスケーラビリティ問題を解決する技術として注目されています。
既存のペイメントチャネルを使用することで、トランザクションを減らして効率よく取引するシステムになっています。
ライデンネットワーク
イーサリアムにオプティマイズされた技術を指します。
ビットコインのライトニングネットワークと同様に、イーサリアムのスケーラビリティ問題の解決に期待が集まっています。
取引所の取引
仮想通貨(暗号資産)の取引所でのビットコインの購入・売却などは、実はオフチェーンが取り入れられています。
取引所内の移動だけをオフチェーンで管理して、ビットコインの移動はブロックチェーンに記録するという形式です。
これは、マイニングによる承認作業に時間がかかり、取引したいタイミングで出来ないことを防ぐためです。