「マイニング」とは?わかりやすく解説します

「マイニング」とは?わかりやすく解説します

仮想通貨(暗号資産)の関連が深いワードとして「マイニング」(採掘)という言葉を耳にします。

一般ニュースでも、他人のパソコンを無断で使ってマイニングをするプログラムをweb上に置いたとして、最高裁にまで持ち越された事件がありました。

今回はビットコインを例に、マイニングの仕組みついて解説していきたいと思います。

マイニングとは取引を承認する作業

マイニングとは一言で表すならば、「取引データを承認する作業」ということになります。

膨大なビットコインの取引は、ブロックチェーンの技術で管理されています。

そして、そのデータを第三者がチェックして承認しています。

この取引を承認する作業がマイニングというわけです。

マイニングの仕組み

もう少しだけ具体的に解説しますと、ブロックチェーンにおいて、取引記録は一定の規則に従ってチェーンのようにつなぎ合わされています。

マイニングは、この取引記録をマイナーと呼ばれるマイニング作業をする個人や法人が承認して、チェーンの末尾につないでいく作業ということです。

マイナーが取引記録を承認するためには、コンピューターの演算機能を使って難解なパズルを解くようなもので、最初にパズルを解いたマイナーだけに仮想通貨(暗号資産)を得ることが出来るという仕組みになっています。

1件の取引に対して1マイナーしか報酬を得ることができませんので、誰よりも早くこのパズルを解くことが重要です。

マイニングで報酬を得るために必要なことは?

ビットコインのマイニングには、個人で所有しているパソコンでも参加出来ますが、報酬を受け取るのは不可能に近いです。

ビットコインが発行された当時は、マイナーの数も少なく、マイニングの存在も知られていなかったので、家庭用のパソコンでも可能な時期はありました。

しかし、現在は多くの企業がマイニングを事業として参入してきていて、最新のコンピューターを大量に稼働させているため、勝ち目はないと言っていいでしょう。

マイニングの種類

マイニングには3種類の方法があります。

ソロマイニング

自分でコンピューターを用意して一人でマイニングに参加することです。

マイニングに成功した報酬は独り占め出来ますが、一人でやるには限界があります。

プールマイニング

複数のマイナーが協力してマイニングしていきます。

提供した計算力に応じて報酬が得られるために、安定したマイニング報酬を受け取りやすくなります。

クラウドマイニング

マイニングする企業にマイニングをしてもらいます。

これにも種類があり、マシンをレンタルして報酬を得るものや、マイナー企業に出資して報酬を得るものまで様々な形態があります。

自分で機材を用意しなくても資金さえあれば始められます。

マイニング工場の存在

工場と呼ばれるほどの広い敷地を使用して、何百台・何千台・何万台ものマシンを使って、文字どおり、マイニングのためだけにパソコンを24時間稼働させていることを指します。

大量のパソコンが必要なだけでなく、マイニング時にパソコンが発する熱で演算能力の低下や故障の原因にならないように、冷却装置が必要です。

また、もしものために非常用電源も必要です。

そして、マイニングには、大量の電力が必要です。

電気代が安い国で行う必要性があり、また、大量のパソコンを管理するために人も必要になります。

最近は中途半端な投資では採算が合わないため、撤退するマイニング工場もあります。

クリプトジャッキングの問題

マイニングは、本人だけでなく他人のリソースを活用することも出来ます。

仮想通貨(暗号資産)をマイニングするプログラムをウェブサイトに設置して、そのウェブサイトを閲覧した人の端末リソースを活用する方法です。

これをクリプトジャッキングと呼ぶのですが、日本では、この裁判が最高裁にまで発展してしまった事例があります。

結果は無罪ということになりました。

その理由は、ネット広告と同様のレベルであり、

パソコンの消費電力の上昇や処理速度の低下は限定的であったためということでした。

ちなみに、この時に問題となった1ヶ月のマイニング報酬は800円と言われています。

日本では可愛いものですが、海外では本格的にクリプトジャッキングが行われている事例もありますので、セキュリティーソフトなどの対策はきちんとしておく必要性はあるでしょう。

レッドオーシャン化しているマイニング市場

ビットコイン以外のアルトコインでもマイニングは出来ます。

さらにその市場規模は大きくなっていますが、参入するには、それなりの投資が必要になってくので、個人での参入は厳しいです。

マイニングより、トレードなどで利益を得ていくことを考えたほうがよいでしょう。