仮想通貨(暗号資産)ファイルコイン(Filecoin/FIL)の特徴

仮想通貨(暗号資産)ファイルコイン(Filecoin/FIL)の特徴

「ファイルコイン(Filecoin/FIL)」は、「人々にとって一番大切な情報を保存する」という目的の下で開発された分散型のストレージシステムです。

ネットワーク上に流通するデータが膨大になるストレージの問題を解決する解決策として、「ファイルコイン(Filecoin/FIL)」はブロックチェーンの技術を用いて保存データを分散化させています。

今回はこの「ファイルコイン(Filecoin/FIL)」について解説していきたいと思います。

ファイルコイン(Filecoin/FIL)のアウトライン

発行上限20億枚
特徴IPFSを用いたデータの分散化
発行開始2017年9月
コンセンサスアルゴリズムプルーフ・オブ・ストレージ

ファイルコインは、クラウドサービスを分散型にしようとする試みの元に生まれた通貨です。

現在世界中にクラウドサービスはありますが、クラウドサービスを取り扱う企業は制限されています。

分散型にすることにより、その制限を無くすために作られたのが、このファイルコインです。

ファイルコインは、クライアントユーザーには決済手段として機能し、マイナーには報酬とペナルティで、その品質を高く維持するように機能するとされています。

ユーザー同士でストレージの貸し借りを行うことができるという特徴があり、その対価として支払われるのがファイルコインになります。

ファイルコイン(Filecoin/FIL)を支える新技術「IPFS」

「IPFS」は(InterPlanetary File System)の略です。

従来のデータ保存は、「HTTP」というプロトコルを利用しています。

これはデータを保存する場所・設備にセキュリティを委ねていることが問題となりつつあります。

ひとたびセキュリティに関する脆弱性が見つかると、そこに保存している全てのデータが漏洩などの危険にさらされます。

「IPFS」はP2Pネットワークを利用して世界中にデータを分割して保存し、秘密鍵を持っているユーザーのみが、そのデータを一つにまとめて取り出せるという仕組みです。

「IPFS」では重複したデータを削除して保存できるため、データ保存自体が従来のクラウドサービスなどより効率的です。

さらにデータが分割されて保存されているため、外部からの攻撃などからもデータを守れます。

この技術「IPFS」は、GAFAMに代表される巨大IT企業にも採用されています。

ファイルコイン(Filecoin/FIL)の特徴

ファイルコインの特徴を挙げていきます。

分散型ストレージサービスの展開

現在主流となっているストレージサービスは、クラウド上にファイルを保存する「クラウドストレージサービス」です。

このクラウドストレージサービスは、企業の扱うサーバーによって集中管理されています。

完全に1か所ではなく、バックアップを数か所分散していますが、中央集権的にデータ保存されているのは確かです。

一方ファイルコインでは、ブロックチェーン技術をクラウドストレージサービスに応用することによって、ファイル保存の完全分散化に成功しています。

分散して保存することで秘匿性も担保し、セキュリティ面の向上も成功させています。

マイナーに割り当てる比率が高い

ファイルコインは、マイナーに対しての報酬比率が非常に高いです。

割り当てられる比率は全体の70%を占めており、他の仮想通貨(暗号資産)と異なっています。

報酬比率が高い理由はデータの保管を行うためです。

マイナーの役割は、データの保管場所を提供することと、データを適切に保存管理することです。

ファイルコインは、報酬のうち25%は即時マイナーに支払われるのですが、残りの75%は180日に分割して支払われるルールになっています。

ルールを設ける目的は、マイナーにデータを継続的に保存してもらうためだからです。

ファイルコイン(Filecoin/FIL)の今後

ファイルコインの将来性について挙げておきたいと思います。

分散型ストレージサービスの需要が高い

クラウドサービスの世界的な拡大により、ストレージサービスの需要は今後も確実に伸びていくと思われます。

web3.0の移行やメタバースなどの技術が進歩すればさらに膨大なデータ保存が必要になり、ファイルコインの需要も高まっていくでしょう。

マイナーの確保

現在既に多くのマイナーが存在していますが、今後もファイルコインが発展し続けるには、継続的なマイナー数の確保が不可欠です。

なぜならファイルコインが今後も安定性のあるストレージサービスを提供し続けるには、より多くのマイナーが必要となってくるからです。

安定したサービスの提供によりユーザー数の減少防止や増加も期待できます。

つまりファイルコインがユーザーだけでなく、マイナーにとってもメリットを得られる存在であることが将来性のカギとも言えます。