「スマートコントラクト」とは?わかりやすく解説します

「スマートコントラクト」とは?わかりやすく解説します

ブロックチェーン技術に関するデジタルビジネスの用語に、「スマートコントラクト」という言葉がよく出てきます。

実は様々な業界で大きな注目を集めています。

今回は、この「スマートコントラクト」について解説していきたいと思います。

スマートコントラクトとは

スマートコントラクトは、一言で表すと、「コンピュータープログラムによる契約の自動化」

という意味になります。

契約とその履行条件をプログラミングをしておくと、契約条件が満たされた時に自動で取引が行われるような仕組みです。

スマートコントラクトの概念の例として自動販売機があります。

自動販売機のスマートコントラクトの例
  1. 利用者が契約条件を満たす額のお金を入れて特定のボタンを押す
  2. 特定のモノが提供される
  3. お金は販売業者や提供者のものになる

スマートコントラクトの仕組み

従来型の取引契約の「エスクロー」と比較をしてみます。

通常、購入者が販売者から商品を購入する時には、ショッピングサイトなどを介して代金と商品との交換契約を結ぶことで取引が行われます。

エスクロー

購入者と販売者の間にショッピングサイトの仲介者がいて、商品の交換契約を交わして取引を行うことを「エスクロー」と言います。

購入者⇔ショッピングサイト⇔販売者

このような形式を取ります。

スマートコントラクト

一方、スマートコントラクトでは、仲介者を立てることなく代金と商品の交換契約を行うことが出来ます。

購入者⇔ブロックチェーン⇔販売者

購入者と販売者の間に、交換契約をブロックチェーン上にあらかじめプログラミングしておいて、定めた契約条件が満たされれば自動的に取引が行われるという仕組みです。

スマートコントラクトのメリット

スマートコントラクトの採用により、様々なメリットが得られます。

透明性が高い

ブロックチェーン上に記録された取引履歴や契約内容は、いつでも誰でも閲覧することが出来ます。

そのために、間違いや不正が起きた時には、すぐに発見されます。

記録データの透明性が確保されているので、不正が起きにくいメリットがあります。

コストダウンにつながる

エスクローでは、仲介業者が必要でしたが、スマートコントラクトを採用すると、契約終了までの過程を全て自動化できるので、仲介者は不要になります。

仲介業者が不要になる=人件費や手数料の削減

となりコストダウンが可能となります。

スマートコントラクトの課題

一方でスマートコントラクトには課題も存在します。

ブロックチェーンの性格性

サーバー管理などの中央集権的なシステムの場合、一時的にサーバーを止めるなどの処置をして、問題を解消後にサービスを再開できます。

ところが、スマートコントラクトの場合、すべてのノードを止めることは難しく、一旦開始されたサービスを停止するというのは困難です。

ですので、提供開始時に十分に検証する必要性があります。

契約変更が出来ない

契約内容を変更する場合には、当初の契約に基づいたスマートコントラクトを改変し直さなければなりません。

個別事情による変更等は難しいと言えます。

契約増加に伴い取引時間の増加の可能性がある

これはスマートコントラクトというより、ブロックチェーンの問題と言えるでしょう。

利用者が増えれば増えるほど取引時間が増加します。

1個のお菓子を購入し処理するのに、多くの取引時間がかかってしまうということも考えられます。