メタバース学会とは?わかりやすく解説します
最近テレビでも話題・紹介されることが多いメタバースですが、多くの分野での活用が進んでいます。
その一つに教育の業界があり、色々な取り組みが実施されています。
中でも注目を集めているのが「メタバース学会」です。
今回は、この「メタバース学会」について解説していきたいと思います。
メタバース学会とは
メタバース学会とは、メタバースの仮想空間内で学会を開催することです。
学会の会場をメタバース内に設営し、参加者はアバターを使って学会に参加します。
リモートの学会と違い、リアルタイムでの質疑応答等も、現実の学会とほぼ近い形で行うことが可能で、現実の学会に近い形で学会を開催することができます。
メタバース学会のメリット
メタバース学会のメリットを挙げていきます。
会場先を選ばない
現実で学会を開催する場合は、会場準備が必要です。
参加予定の人数に合わせて、場所を決定し、参加者の予約を受け付け、机や椅子を用意するなどの会場の設営も必要です。
これにはかなりの手間やコストがかかります。
また、地方開催の場合、周辺の宿泊が必要など、思った以上に参加者の費用や時間が取られることがあります。
メタバース学会であれば、メタバースの仮想空間内に会場を設営すれば、それを毎回使うことができ、リアルの開催よりもかなりコストを抑えることが可能です。
遠方からの参加が簡単
現実の学会に参加する場合、会場まで移動する必要があり、会場が地方にある場合は、宿泊先などの手配も必要です。
メタバース学会ならば、ネット接続ができれば、距離に関係なく参加することができます。
オンライン学会などでも距離に関係なく学会は開催できますが、メタバース学会では臨場感が異なります。
メタバース内では、アバターの位置によって、音声の方向や距離で声の大きさが変わり、現実と近い形で体験できます。
効率的に参加することができる
近年の新型コロナウイルスの流行によって、学会は中止になったりリモート開催になったりしていますが、多くの人数が集まる学会は感染症のリスクが高くなります。
メタバース学会では感染症リスクは全くありませんし、移動時間がないため、効率的に学会内の催し物に参加が出来ます。
昼間の仕事が終わってからの夜の部の開催等の工夫で、アーカイブも臨場感ある参加も出来ます。
メタバース学会のデメリット
メタバース学会のデメリットも挙げておきます。
事前に慣れておく必要がある
インターネットが苦手な人の場合、メタバース学会への参加のハードルが上がります。
また、学会が開催されるメタバースにアクセスしたことがなければ、アバターの作成やメタバース内での操作等が不明ということもあるでしょう。
学会の当日に参加しようとしても、操作がわからず参加できないといったことも起こる可能性はゼロとは言えません。
アバターと現実の見た目が違う
メタバース学会では、参加者はアバターを使って参加しますが、アバターは参加者が自由に設定できるので、現実の人物とは見た目が異なることがあります。
学会の場合は参加者や発表している人が重要になるケースがあります。
リアルの学会では、その人そのものが参加するため、どういう人なのかはすぐにわかりますが、メタバース学会ではアバターになっているので、直接話をしてみないと誰なのかわからないことがあります。
メタバース学会の活用例
メタバースで学会を行っている活用例を挙げておきます。
バーチャル学会
バーチャル学会はVR空間上での学術発表や議論、異分野交流、文化発信を通じ新たな価値の創造を目的として開催されているメタバース学会です。
バーチャル学会は口頭発表やポスターセッションが行われ、VR基礎技術、アバター、物理・化学、社会、数理・アルゴリズム、など様々な分野の発表が行われています。
近畿国立病院薬剤師会
近畿国立病院薬剤師会では、口頭発表・ポスターセッションで・懇親会場などリアルのような学術大会が開催されました。
演者の発表を聞くだけの一方通行なオンライン学会にならないように、 演者と参加者の親睦や、参加者同士の親睦が図れ、皆が楽しめる会となったようです。
佐賀県臨床工学技士会
佐賀県臨床工学会はコロナ禍では、ZoomやTeamsなどを活用したオンラインで開催していました。
ですが、従来の学会発表のようにはいかずに何かいい方法がないか模索していました。
2023年から現地開催されているかのようなリアルな大会にするために、Zoomとメタバースで同時開催されました。