NFTコレクターの本質
仮想通貨(暗号資産)関連のワードというのは、認知度が確実に広まってきています。
革新的な技術として新しい分野で、確実に私達の生活を便利に支えてくれる技術として発展していくことは間違いありません。
その一方儲け話は良くも悪くも後を絶ちません。
2021年から2022年にかけてはNFTというワードも急上昇しています。
創作するアーティストだけでなく、「NFTコレクター」や転売で稼ぐ人も増えてきました。
そこには、NFTコレクターの本質が見え隠れしています。
今回は、このNFTコレクターの歴史を紐解きながら、その本質について解説していきたいと思います。
NFTの唯一無二の一点ものが生み出すパワー
「NFT(Non-Fungible Token)」は、一点ものを生み出せるトークンになります。
その歴史は、2017年まで遡ります。
最初は目の粗いドットアートが始まりでした。
このドットアートでキャラクターが描かれている絵が高騰していくのですが、今までのドットアートと異なる点は、イーサリアム上に所有者が明記されていることでした。
これらのアートは一般のユーザーに売り出されて、転売も容認されているマーケットプレイスも準備されていました。
全部で1万点のみの限定で最初の作品ということもあり、転売ヤーもこぞって参加していきました。
そして、話題が話題を呼び、その価格は天井知らずで値がついていき、2021年の上半期には、ついに8億円以上の価値がついたこともありました。
NFTゲームでも話題に上る
NFTゲームには、有名な「アクシーインフィニティ(Axie Infinity)」や歩いて稼ぐ「ステップン(STEPN)」などが話題に上がりましたが、草分け的存在が「クリプトキティーズ(CryptoKitties)」です。
子猫を購入したり、交配して子猫を産んだりし、プレイヤー同士で仮想通貨(暗号資産)を使って売買するというゲームになります。
この子猫は、スマートコントラクトの機能を使って他の子猫と重複しないように設計されていて、まさに自分だけの一点ものとなり、ゲーマーだけでなくコレクター達にも広がりました。
多くのユーザーが、その一点もののキャラクターを売買することとなり、イーサリアムのスケーラビリティーが混乱を招いたこともありました。
コレクターの心理は、どの媒体になっても変わらない
アイドルの写真やグッズやアーティストやアスリートのグッズを始め、絵画・陶芸などのリアルでのコレクターとNFTコレクターは、その核となる部分は一緒です。
・「他の人が持つことが困難であるモノについて自分だけが持っている」
・「ファンになった人やグループのものを持つことに最大の喜びをもつ」
これらがコレクターの本質です。
特にNFTアートに関しては、デジタルなものですから、コピーはやろうと思えば出来るはずです。
そこに価値を見出す、資金を投じるということは、「コレクター魂」というものが根底にあるということではないでしょうか。
転売は基本的にコレクターのやり取りだけで、クリエイターは置いてけぼりになりますが、NFTの場合は、転売の度に還元されることとなるので、アーティストにもメリットがあります。
そういう意味では、NFT発行によるビジネスというのは、これからも期待できるものなのかも知れません。