プルーフ・オブ・ステーク(PoS)とは?わかりやすく解説します
ビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)で利用されている「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」は膨大な電力消費が問題となるために、環境への懸念材料があります。
それに比べて、「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」は電力消費が安く済みますので、これからも採用されるようなシステムと言えるでしょう。
今回は、この「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」を解説していきたいと思います。
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)とは
「プルーフ・オブ・ワーク」は(Proof of Stake)の略で、プルーフ・オブ・ワークと同様にブロックチェーンのマイニングを承認するシステムの種類になります。
プルーフ・オブ・ステークはビットコインが代表のプルーフ・オブ・ワークの改善システムとして考案されました。
プルーフ・オブ・ステークの特徴と仕組み
プルーフ・オブ・ステークには大きく分けて2種類ものがあります。
- その仮想通貨(暗号資産)の保有量によってマイニングの成功確率が決まり、ランダムに選ばれる方法
- 保有年数と保有量によってマイニングの成功率が変わる方法
保有年数と保有量の指標を「コインエイジ」と呼びます。
仮想通貨(暗号資産)の報酬は、保有量等に変わってくるので、マイニングとは別に「フォージング」とも呼ばれます。
プルーフ・オブ・ステークはネットワークに預けている参加者の中から処理を承認する人を選択します。
このネットワークの中で選ばれた人は、正しく承認処理をすることで報酬を受取ることができます。
預け入れた仮想通貨(暗号資産)と受け取った仮想通貨(暗号資産)の価値が失われないように、参加者が正しく承認を行う動機づけを生み出して、不正のない処理や取引を行う仕組みになっています。
プルーフ・オブ・ステーク内で仮想通貨(暗号資産)を預けれることを、「ステーキング」、「ステーク」と呼びます。
ステーキングは誰でも行うことが出来ます。
仮想通貨(暗号資産)の取引所では、ステーキングの代行をやっている所もあり、仮想通貨(暗号資産)をステーキングすることで、保有しながら利息みたいなものを受け取れる場合もあります。
プルーフ・オブ・ステークのメリット
プルーフ・オブ・ステークのメリットは、主にプルーフ・オブ・ワークの問題点を解消したものになります。
51%攻撃の防御
プルーフ・オブ・ワークの51%攻撃はほぼ起きないことは言え、ブロックチェーンの過半数を犯罪グループが占めた場合、正規取引の拒否や不正取引の正当化、マイニングの独占が起こります。
プルーフ・オブ・ステークでは計算能力に頼ることのないシステムです。
プルーフ・オブ・ステークの場合、51%攻撃を行おうとすると、大量の仮想通貨(暗号資産)を持っていないといけません。
そのためには、莫大な資産が必要になります。
また、51%攻撃により、その仮想通貨(暗号資産)の価値は下がってしまい、最終的に損失を出すということになってしまいます。
消費電力の軽減
プルーフ・オブ・ワークのように、マイニングのために高性能のCPUを動かすためには、膨大な電力が必要です。
冷却装置も必要になることから、偏った地域などにマイニング工場と呼ばれる大規模施設が存在します。
ところが、プルーフ・オブ・ステークではマイニング成功率を計算量にとは関係ないシステムとなっているので、電力消費を抑えられます。
また、参加者は分散されたほうがセキュリティー的にも向上しますので、一極集中を避けることが出来るのもメリットとなります。
プルーフ・オブ・ステークのデメリット
一見、万能のようなプルーフ・オブ・ステークにもデメリットは存在します。
その結果、報酬が何度も支払われる
プルーフ・オブ・ワークの欠点を改善はするものの、プルーフ・オブ・ステーク独自の問題点も出ています。
2重支払い問題
プルーフ・オブ・ステークでは、仮想通貨(暗号資産)を保管しているだけで報酬がもらえるために、最も長いブロックチェーンにつなげていく動機づけは低いです。
ブロックも簡単に生成出来る上に、リスクが少ないです。
ですので、ブロックチェーンが重複してしまい、無効なチェーンがマイニングされ続ける可能性があります。
その結果、報酬が何度も支払われるという問題が起きます。
流動性の停滞
プルーフ・オブ・ステークは、保有量や保有期間によってマイニングやフォージングが決定されます。
そのために、マイニング等に関わりたいユーザーは、長期的に保有する傾向が強くなります。
結果的に流動性が低くなる可能性があります。
プルーフ・オブ・ステークを採用している仮想通貨(暗号資産)
代表的なものを挙げておきます。
- イーサリアム(ETH)
- ポルカドット(DOT)
プルーフ・オブ・ステークを採用している仮想通貨(暗号資産)は比較的成長している続けているものも多く、歴史は浅いものの、これからは主流となる可能性を秘めています。
要注目のシステムと言えそうです。