「P2P(ピアツーピア)」とは?わかりやすく解説します

「P2P(ピアツーピア)」とは?わかりやすく解説します

仮想通貨(暗号資産)において、「P2P(ピアツーピア)」というのは非常に重要な概念です。

というのは、このP2Pで仮想通貨(暗号資産)が成り立っているからです。

通信システムは様々な方式があるのですが、ブロックチェーンの根幹をなすものがP2Pです。

今回は、仮想通貨(暗号資産)に限らず他のサービスにも広く使われているP2Pについて解説していきたいと思います。

P2Pとは一体何か?

P2Pとは、不特定多数の機器がサーバーを経由せずに、端末同士で直接データファイルを共有することができる技術のことです。

対等の立場同士(peer)で情報共有を行う通信で、peerからpeerへということから、この言葉が生まれています。

このネットワークに接続している機器のことを、以前説明した「ノード」と呼び、ノードが接続しあっているネットワークをP2Pネットワークと呼びます。

クライアントサーバー型との違い

P2Pと反対の存在として、「クライアント・サーバー型」のネットワークがあります。

これは、サーバーがデータ管理を行い、全ての情報を一極に集中して管理する形になっています。

一つの場所で全情報をコントロールしているため、サーバーの負荷を分散させることが出来ずに、サーバーがダウンすることがあります。

普段の仕事の環境下でも、ニュースでも、「サーバーがダウンしたことによる通信障害が起きた」ということはよく耳にしたことがあるでしょう。

P2Pのメリット

P2Pのメリットを3つほど挙げていきます。

1.ゼロダウンタイムが出来る

ダウンタイムというのは、ネットサービスやシステムなどが不具合になどによって、アクセス出来なかったり稼働しなかったりしている時間のことです。

このダウンタイムがゼロということでゼロダウンタイムという表現が出来ます。

通常のクライアント・サーバー型では、メンテナンスやアクセス集中で一時的に接続ができないということが必ずあります。

ですが、P2Pではゼロダウンタイムが実現可能になっているのです。

2.分散管理の利用

クライアント・サーバー型のように一つのサーバーで管理しているわけではないので、まず、端末に負荷がかかりません。

ですので、上記に挙げたようにゼロダウンタイムが可能なわけです。

また、サイバー攻撃やハッキングなどに遭ったとしても、P2Pの場合は、そのネットワークの半分以上を乗っ取らなければならず、世界中の分散されたP2Pネットワークの過半数を超えて乗っ取るというのは、現実的に無理があります。

3.システム構築が安く済む

P2P方式のネットワークでは、役割に応じた高価なマシンを複数準備する必要性がありません。

また、ネットワークの構成時に複雑なシステムを設計する必要もありません。

経済的にも有用であると言えます。

P2P通信の種類

P2Pの通信には主に4つの種類があります。

1:1の通信型

「LINE」や「Skype」がこの方式で1:1の通信に使われている方式です。

放送型

ノードがツリーのように波状に広がり、同じデータが全てのノードに配信されるのが特徴です。

オンデマンド型

放送型のバージョンアップ型です。

peerが多くなってしまうと時間を費やしてしまうので、同じデータを保持しているシードというものを探して効率を上げていくシステムです。

分散型

仮想通貨(暗号資産)がこの方式です。

ブロックチェーンを利用して各ノードが分散されているので、サーバー管理型より不正に遭いにくくなっています。

P2Pは身近に活用されている

P2Pの技術は、実は私達の身近なところで利用されています。

日本で大活躍の「LINE」

日本寺でスマホを持っていれば、ほとんどの人がインストールしているSNSアプリの「LINE」は、P2P技術を使っています。

LINEでは大元でアカウントの情報は管理していますが、データファイルなどは、サーバーを中継なくユーザー同士で共有出来ます。

このように、大規模なサーバーがいらないことも、無料で利用出来ている一つの理由です。

SNSの元祖「Skype」

LINEが広まるまでは、Skypeを主に利用している人もいたでしょう。

SkypeのサーバーにIDなどを管理して、ノードがサーバーに保管されている情報を参照してユーザーを見つけるような仕組みになっています。。

ただ、マイクロソフトが買収されるまでは、P2Pの通信方式でしたが、買収後はクラウドホスティングサービスを利用しているので、現在はP2Pは使用していません。

仮想通貨(暗号資産)

ビットコインを始めとする仮想通貨(暗号資産)は、P2Pのネットワーク技術をふんだんに利用しています。

送金時の取引データ(トランザクション)は、ブロックチェーンの分散台帳(ブロック)に書き込まれます。

この時にP2Pの技術が使われています。

送金にかかる費用もスピードも今まで何日もかかっていた国際送金に比べて圧倒的に有利です。

このように、P2Pの技術は、私達の身の回りで様々なものに利用されています。

仮想通貨(暗号資産)では、P2Pの技術だけでは、正当性の保証は出来ないため、ブロックチェーンで正当性を保証するようにしています。

今後もブロックチェーンを利用したP2Pの技術というのは、当たり前のようになっていくことでしょう。