メタバースクリニックとは?わかりやすく解説します

メタバースクリニックとは?わかりやすく解説します

近年さまざまな分野で活用が進んでいるメタバースですが、これから注目される分野に医療福祉分野があります。

その中で先駆けて「メタバースクリニック」というものも登場しています。

今回は、この「メタバースクリニック」について解説していきたいと思います。

メタバースクリニックとは

メタバースクリニックとは、メタバース上で匿名のアバターとして参加し、医師による、お悩み相談、自助グループ、座談会等が受けられるヘルスケアコミュニティサービスです。

例えばメンタルクリニックや精神科を受診したり、カウンセリングを受けたりするよりも気軽に参加が可能です。

自分の顔や名前を出さずに悩みを打ち明けて相談することができますし、わざわざ病院を探して、辛いなか足を運ぶ必要もありません。

医療分野でのメタバース使用メリット

医療分野でメタバースを活用するメリットを挙げていきます。

遠隔での医療が提供出来る

メタバースを活用すると、医師と患者が距離に関係なくコミュニケーションを取ることが可能です。

距離に関係ないと言うと、遠隔医療が存在していますが、遠隔医療では画面を通じてのやりとりになるため、対面時と同等なコミュニケーションを取るのは意外と難しかったりします。

ですが、メタバースを活用して、仮想空間内にアバターとして医師・患者共に存在すれば、より対面に近い形でのコミュニケーションが出来るようになります。

医療行為については、対面しなければできませんが、問診の段階であれば、メタバースの仮想空間内でも可能です。

患者にとっては、通院する頻度を下げることもできるため、負担を軽減することもできます。

現実では出来ないようなことも可能

メタバースでは、CGで構成された仮想空間であるため、現実では実現できないことも可能になります。

例えば、リハビリの分野等で、空間を構築することもできます。

また、メタバース上で人体内を再現して、その体験を研究に活用することも可能です。

オペのイメージも共有出来たり、現実では実現できない場面を活用することで、より高い効果が期待できます。

面会も違う形で可能

メタバースを活用すれば、家族と患者の面会も感染症流行でも可能です。

新型コロナウイルスの影響で、多くの病院では面会禁止となる事態が起こりましたが、メタバースを活用すれば、実際に対面しなくても、対面したかのようなコミュニケーションが出来るので、患者にとっても医療従事者にとっても安心が出来ます。

メタバースクリニックの課題

メタバースクリニックの問題点を挙げておきたいと思います。

治療はリアルにできない

当たり前といえば当たり前ですが、直接体に触れたりするわけではないので、体に触れるような診療行為は医療従事者側ができません。

ただ、メンタル系であれば、その必要性もないですし、ウエアラブル端末等の普及や進化で、血圧や心拍数、体温などの基本的な部分は、クリアできるものとなってきています。

個人情報等のセキュリティ対策

メタバースを利用して遠隔で問診する場合、オンラインでやりとりすることから、情報漏洩などのリスクが発生します。

また、メタバースが普及し始めてから、期間が短いこともあり、法整備は全くと言っていいほど進んでいません。

医療分野では、センシティブな情報を扱う必要があるので、安全に運用できるようにするためには、セキュリティ対策が絶対的に必要です。

メタバースクリニックの活用事例

これからは、メタバースクリニックとして実際の活用事例を見ていきたいと思います。

メタバースクリニック

精神科医として存在する吉岡 鉱平氏が手がけている、「メタバースクリニック」は、医師がインターネット上のメタバース空間で主催する健康や医療にまつわる様々なイベントに、匿名のアバターで無料参加できるサービスです。

無料で利用できますから、いくら通ってもお金がかからないのもメリットです。

順天堂バーチャルホスピタル

「順天堂バーチャルホスピタル」というものがあり、メタバースを利用して患者などが来院前に病院の雰囲気を知ることができるようになっています。

また、このバーチャルホスピタル内で患者と家族がアバターで交流できることも実現予定です。

長期のテーマとして、メタバース内で活動で、メンタルヘルスなどの改善ができるかどうかを検証する計画も進行しています。

順天堂大学と日本IBMでは、今後もメタバースを活用した医療サービスの共同研究を継続的に行っていく予定です。

VRワクチン注射シミュレーター

「VRワクチン注射シミュレーター」はVR内で注射のシミュレーションをすることができます。

VR内では模型が表示され、その内容に従うだけで筋肉注射の手順を習得することができます。

VRワクチン注射シミュレーターを導入することで、設備などを使わずにいつでも擬似的にトレーニングができるようになっています。