NFTと観光について
インバウンド需要はかなり日本の経済に大きな影響を与えています。
日本は観光資源が豊富な国ですから、これからも伸びていくと思われます。
そんな中、NFTを活用した観光事業が今注目されています。
今回は、このNFTと観光について解説していきたいと思います。
観光業界の課題
賑わっている観光業界ですが、課題も多く存在しています。
観光客の偏在化
一部の観光地ではオーバーツーリズムが問題になってきています。
オーバーツーリズムは有名な観光地に観光客が集中してしまう問題です。
これにより、観光地を楽しめないということが起きたり、逆にストレスが溜まるようなことが頻発しています。
逆に知名度が低い観光地は日本人だけ、その日本人も観光に行かないというスポットも存在していて、観光客の偏在化は大きな課題になっています。
紙媒体のコストがかさむ
最近はデジタル化が進んではいるものの、パンフレット・割引券・スタンプラリーのカードなどは、まだまだ紙を使用した印刷物が多いものです。
これらはデジタルモノに比べてコストもかさみ、紙ゴミをを増やす原因にもなります。
観光地の自然環境を守るという点では、時代に逆らうような活動となってしまいます。
観光にNFTを取り入れるメリット
観光にNFTを取り入れるメリットを挙げていきます。
観光客の誘導
観光地で使用できる割引やクーポンなどをNFTとして発行することによって、スマホ1台があれば様々な地域を楽しめるように誘導が出来ます。
スタンプラリーなども活用することで、知名度が低い観光地へ観光客を分散化させることが出来ます。
また、紙の印刷物もかなり減らせることができて、環境保護にもなります。
新たな価値の提供
NFTを活用すれば、観光客に今までにない新たな価値や体験を提供できます。
NFTを利用して地域の特産品や伝統工芸などをデジタル化することによって地域と観光客のつながりを生み出すことも出来ます。
例として、ご当地キャラのNFTを発行した際に、記念を残せるNFTを発行することで、NFTコレクションを楽しむことができます。
また、人気が出れば、NFTマーケットプレイスで売買されて、これらのNFTが、将来的に高値で取引される可能性もあります。
NFTと観光の実例
NFTと観光の実例を挙げておきたいと思います。
デジタル御朱印
静岡の明光寺がデジタル御朱印をNFT化し、京友禅とのコラボレーションも実現していたり、東急沿線では、寺社を訪れると「NFT花御朱印巡り」として、デジタルの御朱印が取得可能になったりしています。
スマホ de おみやげ
デジタルお土産として地域の観光促進・地域ファンを創出するサービスとして注目されています。
観光名所や特産品など地域の魅力をNFTとしてデジタル化して、観光客はブラウザで受け取りアプリでコレクションしていきます。
ニセコパウダートークン
ニセコのスキーリゾートでのアーリーエントリー権を付与して、早朝滑走体験を提供する取組みです。
また、それだけでなく、地域との連携を強化し地元店舗の予約権利をNFT化、レストラン、バー、宿泊施設といったニセコに訪れる観光客の一連の新たな体験を創出した取組みとなっています。
ふるさと納税の返礼品をNFT化
北海道のきたひろ観光協会での実証実験です。
返礼品に採用されたデジタルアートは、札幌市在住のNFTイラストレーターである鹿間ぐみこさんのイラストです。
きたひろ市はこのNFT配布によって集客することを目的としています。
NFTをふるさと納税として受け取るためには、現地で抽選販売に申し込む必要があり、実際にJR千歳線北広島駅の構内にあるQRコードを読み取って申請する必要があるために、NFTが欲しい人は北広島市を訪れるようになっていました。
まとめ
この記事で紹介した事例以外でも、観光案内チケットをNFT化し販売したり、周遊スタンプラリーイベントの開催、限界集落の救済のためのNFTアートの販売やデジタル住民票の導入など、観光や地方創生にNFTを絡めたプロジェクトは多く展開されています。
今後も観光需要は引き続き高まっていくと思われ、NFTを絡めた新しいプロジェクトがさらに増えていくことでしょう。