仮想通貨(暗号資産)の「スナップショット」とは?わかりやすく解説します

仮想通貨(暗号資産)の「スナップショット」とは?わかりやすく解説します

仮想通貨(暗号資産)の用語に「スナップショット」というものがあります。

「スナップショット」と言うと、日常風景の写真を撮ることや、PC・スマホなどの機器に画像を保管することという意味で使われます。

仮想通貨(暗号資産)の「スナップショット」は、権利取りのような時に行われます。

今回は、このスナップショットを解説していきたいと思います。

スナップショットとは

「スナップショット」とは、ある仮想通貨(暗号資産)の特定時点における状態を他の媒体にバックアップすることを指します。

スナップショットでバックアップされたデータは、保有者や保有量を確認することができます。

具体的には、アドレス・取引・残高・などブロックチェーンの台帳全体の内容が記録されます。

それにより、スナップショット時点での保有者や保有量などがわかるようになっています。

スナップショットが行われるタイミングですが、発行者がスナップショットを実行したいブロックチェーンの、指定のブロックに到達した時点で実行されます。

ですので、細かい日付などは指定されることは少ないようです。

スナップショットが実施されるワケ

スナップショットが行われる理由は、大体、新規に仮想通貨(暗号資産)が配布される時に実施されることが多いです。

すでに仮想通貨(暗号資産)を保有している人に対して、新たな仮想通貨(暗号資産)を配布する場合に、その保有者を決定させるために行われます。

その他にもスナップショットが活用される場面があります。

ハードフォーク時

例えば、新たなブロックチェーンや仮想通貨(暗号資産)が生まれるハードフォーク時に実施されることがあります。

新規プロジェクト時

既存保有の仮想通貨(暗号資産)のブロックチェーン発行者が、新規プロジェクトを立ち上げて、新しい仮想通貨(暗号資産)を発行する時も行われます。

エアドロップ時

他にも、エアドロップで、キャンペーンの一つとして配られることもあります。

エアドロップのスナップショットは、発行者ではなく、キャンペーンの主催者が行うこともあります。具体的には、取引所などが主催することがあり、その場合には、取引所で仮想通貨(暗号資産)を保有していないと権利が得られないということがあります。

投票権付与時

ブロックチェーンの新機能提案・課題解決のための議決時の投票権でも行われることがあります。

保有する仮想通貨(暗号資産)の量によって投票権が得られるブロックチェーンもありますので、この場合にスナップショットが実施されることがあります。

過去のスナップショット

これまでに、スナップショットで話題になった仮想通貨(暗号資産)も存在します。

ビットコインキャッシュ(BCH)

ビットコインキャッシュは、ビットコインのハードフォーク時に生まれた仮想通貨(暗号資産)です。

この時には、ビットコインと同じ量のビットコインキャッシュが配布されました。

その後、ビットコインキャッシュは独立したアップデート仕様で意見が対立して2度目の分裂がありました。

具体的には、「Bitcoin ABC」と「Bitcoin SV」というブロックチェーンです。

この時もスナップショットが行われています。

ネム(XEM)

ネムは、新たな仮想通貨(暗号資産)のジム(XYM)を発行させるために「symbol」と呼ばれるプロジェクトを立ち上げました。

この時にはネムと同量のジムを得る権利が付与されています。

「symbol」では、ネムの過去のブロックチェーンを使用せずに、新しいブロックを構築したので、ビットコインキャッシュのハードフォークとは異なっています。

リップル(XRP)

リップルは、リップル社の出資するフレアネットワークが「スパークトークン(FLR)」と「ソングバードトークン(SGB)」のエアドロップを実施しています。

フレアネットワークは、分散化されたスマートコントラクトのネットワークを構築するために、これらのトークンを使用することを発表しています。

スナップショット時に注意すること

スナップショットで権利取りが行われる場合は、確実に仮想通貨(暗号資産)を保有する必要があります。

また、スナップショット時の条件には、保有数も条件に挙げられていることもあり、確認が必要です。

スナップショットは権利確定のために実施されるものなので、新しい仮想通貨(暗号資産)が配布されるような時は、タイムラグが生じます。

つまり、スナップショット時すぐではないということです。

また、新しい仮想通貨(暗号資産)が発行される場合、取引所によっては、今まで取り扱いのない仮想通貨(暗号資産)になるために売買が出来ない可能性もあります。

権利取りのために、その前後の既存の仮想通貨(暗号資産)の値動きは乱高下など不安定になりやすくなりますので、売買を計画していたら、その点にも注意して置く必要があります。