ブロックチェーンにより銀行は要らなくなる?
ブロックチェーンは様々な業界で変革をもたらしつつあります。
特に金融業界では直接的に資産をやり取りすることで注目を浴びています。
一部の銀行関係者は、価値が安定しないことなどによることを引き合いに出して、金融システムに取って代わるということはないという意見も出ています。
ですが、コストを抑え迅速に処理できるブロックチェーンの技術は、実は金融システムと非常に相性が良いものです。
銀行業界の市場規模は数百兆円規模のレベルですので、その与えるインパクトはかなりのものでしょう。
今回はブロックチェーンの技術によって、金融サービスがどう変わっていくのかを考察して行きたいと思います。
金融サービスとブロックチェーンが果たす役割
従来の金融システムでは、管理者が大なり小なり存在していて、そこに手数料が発生するという構図がありました。
ブロックチェーンの技術により、この中央集権的な部分を分散型の金融としてサービスの提供をすることで、かなりのコストカットが可能になります。
また、「スマートコントラクト」を導入することで、処理も自動で行われプロセスを自動化でき、今までかかっていた処理時間も、かなり短縮できるでしょう。
送金・支払い関係
一番身近な決済や支払い・送金に関しては、分散型台帳のブロックチェーンの技術により、処理時間の短縮、低コストが期待されます。
この決済や支払い関係だけでも、大きなインパクトが望めます。
清算決済関係
現在、海外での送金で銀行を活用すると、「SWIFT(国際銀行間通信協会)」を経由して行われます。
SWIFT経由ですと、利用者はかなり手数料が取られて、その処理も数日かかることがザラです。
ブロックチェーンを利用すれば、瞬時に取引が可能になり、手数料も今までの数%で済むようになります。
リップルなどは、既存の銀行と共同で清算決済の効率化に取り組んで普及を目指しています。
貿易関係
貿易取引も国を超えての処理ですので、かなり煩雑で、コストもかかります。
船荷証券は紙ベースでの取引も結構あるのですが、最近では、ブロックチェーンを使って効率化し、その処理時間もコストも短縮・削減出来るところまできています。
証券関係
株式や債券、代替資産など従来の証券をブロックチェーン上に移すことで、仲介手数料を減らし、取引処理コストを削減していきます。
資産に裏付けにしたトークンを生成し、これをブロックチェーン上に置くことで、より効率的な運用を図ります。
ローン関係
管理者による裁量が大きかったところですが、これを省くことで公平で安全性のある低金利なローンを提供出来るようになります。
海外では実際に行われつつあります。
不正取引関係
ブロックチェーンは基本的に改ざんが出来ません。
本人確認などの目的や顧客情報などを分散されたブロック上に保存することにより、金融機関の間でより安全に情報を共有できることになります。
まとめ
現状では、まだまだ銀行業務に取って代わるようなところまでは程遠いですが、徐々にブロックチェーンの技術を取り入れて、金融業界のインフラを補い、効率を高めてコストを削減するようになってきています。
上記に挙げた項目が全て代替するようにならなくても、着実にブロックチェーンは導入されて、私達の生活にも恩恵を受ける時がきそうです。