スマートコントラクトの活用事例
スマートコントラクトはすでに多くの分野で利用されてきています。
例えば、ハンコ問題なども身近な一例です。
リモートワーク化が進んだ昨今、押印しなければ契約が定まらないためだけに、出社するという事態も起こりました。
この問題を解決するのがスマートコントラクトです。
印鑑は契約の正当性を担保するために用いられるものですから、契約内容を改ざん出来ないようにして、契約の執行を管理できるスマートコントラクトはうってつけの技術です。
今後も様々な分野で実用化が期待されますが、その他のスマートコントラクトの活用事例を少し見ておきましょう。
分散型金融（DeFi）
「DeFi」はブロックチェーン上に構築される金融サービスの総称です。
銀行・証券、仮想通貨（暗号資産）などの金融サービスをブロックチェーンを活用して提供するシステムです。
スマートコントラクトを利用することで、仲介を入れずに当事者同士で直接取引が可能になります。
分散型取引所（DEX）
「DEX」は仮想通貨（暗号資産）の取引所の一つで、ユーザー自身が資産管理を行う点が特徴です。
民間企業の取引所（集中型取引所）が秘密鍵の管理を委託するのに対し、自動化された過程を通じて、ユーザーが秘密鍵の管理を行うために、集中型取引所の倒産などの喪失を防ぐことが出来ます。
P2Pネットワーク上であるために、仮想通貨（暗号資産）の取引をしたい同士が自身の秘密鍵とアドレスを用いて直接取引出来て、決済までの取引過程が自動で行われます。
ブロックチェーンを利用することによるセキュリティーの高さと集中型取引所ほどの手数料がかからないことで、ユーザーは着実に増えています。
投票
スマートコントラクトの活用事例で注目されているのが投票です。
投票された票はきちんと集計され、結果が公開されるまで全ての有権者に等しく公開されなければなりません。
つまり不正が行われないことを前提としています。
データの改ざんの可能性に対して、ブロックチェーンのセキュリティーは相性がいいものと言えます。
ブロックチェーンを利用した投票では、議決権をトークンとして発行し、スマートコントラクトによる集計を行うことで、不正を防ぐことが可能です。
短期間に大量の集計作業を行うには、スマートコントラクトの技術は適していると言えるでしょう。
貿易
スマートコントラクトによる取引の自動化を実施することで、取引コストを大幅にカットすることが出来ます。
貿易は、紙ベースの処理がまだまだ多く、手作業のためにミスや遅れが生じています。
さらに、そのデータは多くのプロバイダーによってフォーマットが異なります。
ですので、効率も非常に悪いものです。
税関の手続きも煩雑で不正も発生しやすく、通関手続きも遅れがちになります。
多くの問題が現段階でもあり、これにスマートコントラクトの技術を取り入れることにより、解消が期待されます。
不動産関係
不動産業界は、紙ベースが主体です。
紙の契約書を作成し、署名・捺印というのは、個人では頻繁に機会がないものの、企業レベルや販売業者は煩雑さを感じています。
これら各種の契約書をブロックチェーンに記録してスマートコントラクトが処理することで、所有権や所有者の確認、移行の手続きが処理が簡単に出来て、効率化出来ます。
分散型アプリケーション（DApps）
「DApps」は管理者がいなくても稼働できるアプリのことです。
特にイーサリアム上での開発が盛んです。
アクシーインフィニティ(Axie Infinity)
仮想通貨（暗号資産）が稼げるブロックチェーン上に構築されたゲームです。
キャラクターを育てて戦わせて繁殖させて楽しむゲームです。
ゲーム内での仮想通貨（暗号資産）の入手や、アイテムやモンスターの取引が可能なために、お金を稼げるゲームとして世界から注目されています。
エイリアンワールド（Alien Worlds）
バトルものが多いゲームですが、このエイリアンワールドは一風変わったものです。
仮想空間上の惑星で採掘を行い仮想通貨（暗号資産）を得ます。
土地の保有者も不動産収入のように仮想通貨（暗号資産）を得ることが出来ます。
アイテムを使って強力な採掘道具で仮想通貨（暗号資産）を得ることが出来る、まさに宝探しゲームのようなものです。
保険
「イーサリスク（Etherisc）」という分散型保険プラットフォームがあります。
保険金の支払い可否の判定から支払いまで自動で行います。
支払いまで自動化されているので、人件費がコストカットできてユーザーは割安でサービスを受けることが出来ます。
今後もまだまだ期待できるスマートコントラクト
スマートコントラクトは、人を介さずに自動で様々なことを執行出来るので、様々な分野での利用が期待されています。
IoT（Internet of Things）などもスマートコントラクトの技術を応用することで、身近にあるものが便利になっていくことでしょう。
最後にスマートコントラクトを搭載する主な仮想通貨（暗号資産）を挙げておきます。
- イーサリアム（ETH）
- イオス（EOS）
- クアンタム（QTUM）
