「DePIN」とは?わかりやすく解説します
仮想通貨(暗号資産)の業界で注目されているワードに「DePIN(分散型物理インフラネットワーク)」というものがあります。
「DePIN」は各種インフラをブロックチェーンで構築していくことで仮想通貨(暗号資産)を付与してインフラを整えていくものです。
今回は、この「DePIN」について解説していきたいと思います。
DePINとは?
DePINとは、「Decentralized Physical Infrastructure Network」の略で、日本語では「分散型物理インフラネットワーク」と訳されます。
個人・企業などの世界中のユーザーが分散的に作り上げるインフラのネットワークを指しています。
通常、インフラネットワークを作る場合、資本力が必要であり、通常は大企業によって運営され、中央集権的に構築することが一般的です。
例えば、世界中で利用されている地図アプリのGoogleマップは、Google社によって構築・運営されています。
それによって、少数の企業による寡占が常態化し、価格競争等が起こりにくいのが現状です。
DePINでは、世界中のユーザーが分担・協力してインフラを作り上げていきます。
ユーザーは誰からの許可も必要とせずに、インフラ構築を行うコミュニティに参加できます。
DePINの特徴
DePINの特徴を挙げていきます。
インフラ構築や維持の費用が安く済む
DePINは、インフラの構築や維持にかかる費用を抑えられます。
世界中のユーザーがインフラ構築に参加する仕組みとなっているので、従来のように特定の企業が膨大なコストを投入する必要がありません。
プロジェクトに参加するユーザーが作業分担や協力してくれるので、安い費用でインフラを作り上げることが可能です。
この仕組みにより、参入障壁を下げて、数多くの企業が参入出来るようになります。
市場競争が働くことで、価格競争が起きたり、サービスの改善が頻繁に起これば、ユーザーにとって使いやすいネットワークが作り上げられます。
参加ユーザーに仮想通貨(暗号資産)を付与
DePINの仕組みの中に、参加ユーザーに報酬として、仮想通貨(暗号資産)が配布されます。
プロジェクトに参加するユーザーは、インフラネットワークの構築・改善に貢献した見返りとして、仮想通貨(暗号資産)を入手できます。
これにより、ユーザーが自主的にプロジェクトに参加する仕組みになっています。
セキュリティが強固
DePINでは、中央集権型インフラネットワークに比べて、強固なセキュリティが実現できます。
大企業による運営では、ネットワークがハッキングを受けるといったリスクが存在しますが、DePINでは世界中に散らばったユーザーが協力して運営を行うので、このようなリスクは低いです。
DePIN関連の主なプロジェクト例
DePINに関連するプロジェクトは数多く存在しますが、代表的なプロジェクトを紹介します。
Filecoin
Filecoinは、分散型ストレージネットワークで、ストレージの貸出しや購入などができる仕組みを提供しています。
Filecoinでは、データを暗号化し、分散型ストレージネットワークに永続的にデータを保管するようにしています。
Render
Renderネットワークは、分散型GPUレンダリングプラットフォームです。
クリエイターがアニメーションや3Dを作成するためには、高性能なGPUコンピュータが必要です。
Renderネットワークでは、クリエイターへ世界中のコミュニティメンバーから集めたGPUコンピューティングパワーを提供しています。
Hivemapper
Hivemapperは、分散型の世界地図の構築を目指しているマッピングプロジェクトです。
ユーザーは配送ドライバーやUberドライバーが多く、自家用車などに専用のカメラを設置して、路面の画像を取得してマップ作りに貢献します。
「Web3.0版のGoogleマップ」とも呼ばれています。