行政のブロックチェーンの活用事例
最近では、行政においてもブロックチェーンが活用されてきています。
DX化がどの会社分野でも進められており、その波に乗り遅れまいと試行錯誤する行政も増えてきています。
今回は、行政に関するブロックチェーンとDX化の関連を解説していきます。
DXとは
DXとは、「デジタルトランスフォーメーション（Digital Transformation）」を指します。
IT技術の発展によって人々の生活をよりよい方向へと変革していくという概念を指します。
行政におけるDXの定義
行政におけるDXは、これまでアナログで行っていた業務をデジタル化して共有する事で、情報やデータ等を有効活用し、社会的な問題解決と人々の生活をより豊かにするということを目指していきます。
DX化を行う事で行政手続きがオンラインでできるようになれば、住民にとってメリットになるだけでなく、職員の負担も軽減できます。
地域住民の情報などをネットワーク化して活用する事で、利便性を向上させる取り組みが行政のDXです。
行政が抱える様々な問題
行政は今後も積極的にDX化を進めるべきですが、その問題とは一体何なのでしょうか？
アナログ文化
紙ベースの情報管理やデータの重複など、古いシステムやプロセスが残り、効率的な業務遂行が行われていません。
部門間の情報共有や連携が不十分であり、縦割り行政による情報の断片化や連携不足も課題となっています。
セキュリティ対策
情報をオンライン化することで、ハッキングやデータ改ざんのリスクが高まります。
行政サービスにおいては、重要な個人情報が扱われるため、セキュリティへの懸念が大きくなります。
このようなリスクを踏まえて、十分なセキュリティ対策が求められます。
その時代における最新のセキュリティ対策の改善や継続的な監視を行うため、堅牢なシステムの構築が必要です。
また、不正アクセスを防ぐためには、中央サーバーやクラウドサーバーの導入や維持に関わるコストが高まります。
行政がブロックチェーンを導入するメリット
行政が抱える問題点を解決するのに期待されるのがブロックチェーンの技術です。
オンライン化でのサービス向上
ブロックチェーンを活用することで、窓口業務をオンライン化することが可能になります。
住民は自宅から必要な手続きを行うことができ、待ち時間や移動の負担を軽減出来ます。
また、ブロックチェーンによる業務スピードの向上により、円滑な行政サービスが提供されます。
さらに、透明性の高いデータ管理によって行政の信頼性も高まることになります。
業務の効率化
ブロックチェーンの導入により業務全体がDX化されて、効率的な業務が可能になります。
業務プロセスの自動化やデータの透明性によって、作業時間の短縮や人件費の削減も可能です。
また、ブロックチェーンの特性により、データの改ざんや不正アクセスを防ぐことができ、信頼性の向上にも寄与します。
セキュリティの強化
ブロックチェーンは、データ改ざんや不正アクセス、システムダウンといったリスクから情報を守ることが可能です。
データは暗号化された状態でブロックに記録され、各ブロックはネットワーク全体で共有されるため、改ざんするにはネットワークの半分以上を乗っ取る必要があり、実質的にブロックチェーンのデータを改ざんすることは極めて困難です。
これにより、データの透明性と信頼性が確保され、不正行為のリスクを減らすことが出来ます。
行政のブロックチェーンの活用事例
行政のブロックチェーンの活用事例を挙げておきたいと思います。
事務処理時間の削減
長崎県では、ブロックチェーンの技術の導入により、事務処理時間の削減・契約事務の改善・収入印紙額の削減等が実現されています。
また、さまざまなファイル形式に対応し、業務の流れを止めずに利用できる仕組みや必要書類の整理・共有等の情報のブロックチェーンへの記録、契約事務に必要な機能の実装などがなされています。
NFT等の使用
石川県では、ブロックチェーンを利用した「e-加賀市民制度」というものを導入しています。
スマートシティ政策を推進し、ブロックチェーンやNFTなどのWeb3.0技術等を活用した地域創生に取り組んでいます。
住民票を持たない人でもネット上の市民となり、関係人口の拡大を通じて将来の移住・定住を促進しています。
e-加賀市民は、オリジナルNFTであるe-加賀市民証を無償で取得し、専用コミュニティに参加することが可能です。
さらに、割安な宿泊付きワーケーションプランや乗合タクシーサービスやなども利用できます。
