仮想通貨(暗号資産)ネム(XEM・NEM)の特徴
「ネム(XEM・NEM)」と聞くと、仮想通貨(暗号資産)をかじったことがなくても、2018年の初頭に起きた「コインチェックのネムのハッキング事件」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
この時の被害額は約580億円という巨額の被害額になり、日本の取引所で起きた大きい事件ということで、連日ニュースに取り上げられました。
これは、取引所の体制が悪く、仮想通貨(暗号資産)自体に問題があったということではありません。
「ネム(XEM・NEM)」自体はセキュリティーが強い仮想通貨(暗号資産)と言われています。
今回は、この「ネム(XEM・NEM)」について解説していきたいと思います。
ネム(XEM・NEM)のアウトライン
発行上限 | 89億9999万9999枚 |
特徴 | 高いセキュリティーと処理速度 |
発行開始 | 2015年3月 |
コンセンサスアルゴリズム | プルーフ・オブ・インポータンス |
ネムはプラットフォームの名前で、通貨の単位はゼムですが、ネムと呼ばれることが多いです。
仮想通貨(暗号資産)の中でセキュリティーが強固で、独自のブロックチェーンの技術が物流管理や医療などの分野で注目されています。
2021年の3月の大型アップデートでプラットフォームが「ネム」から「シンボル」に、通貨名が「ゼム」から「XYM(ジム)」に変更されました。
ですが、ネム自体はなくなっておらず、「シンボル」のサブチェーンとして残っており、2つのプラットフォームが存在するという形になっています。
紛らわしいので、この記事では、馴染みのある呼び名、プラットフォームはネム(NEM)、通貨はゼム(XEM)で統一していきます。
ネム(XEM・NEM)の特徴
ネムの特徴を挙げていきます。
保有量と取引量などによるプルーフ・オブ・インポータン
コンセンサスアルゴリズムに「プルーフ・オブ・インポータンス(PoI)」を導入しています。
「プルーフ・オブ・インポータンス」は、保有量・保有期間だけでなく、トランザクション数も表示に含むことで通貨ゼム(XEM)の利用を活発化させる仕組みにしています。
「プルーフ・オブ・ステーク」のように保有量だけでないスコア性にしたことで、プラットフォームや通貨を多く利用、活発に取引する人にもメリットがあるようにしています。
高いセキュリティーレベル
「Eigentrust++」という技術により、他のプラットフォームと比較して高いセキュリティーレベルを誇っていると言われています。
各ノードの過去の取引などを監視する独自のセキュリティーアルゴリズムです。
これにより、上記の「プルーフ・オブ・インポータンス(PoI)」を用いた、ユーザーの評価のみならず、各ノードの評価も下すことができます。
仮想通貨(暗号資産)では、ノードが個人の利益を優先した行動を取ることは、通貨の不正利用を助長する行為です。
ですが、このアルゴリズムによって、活発なコミュニティになるように寄与する点が考慮されています。
ブロックチェーンアプリケーションの開発が容易
アプリの開発において、ネムは利便性が高いプラットフォームです。
「DApps」を代表とするアプリの開発のプラットフォームで使用される仮想通貨(暗号資産)は、イーサリアムですが、そのプログラミングには、専門言語の習得が必要です。
ところが、ネムでは、「APIゲートウェイサーバー」という技術を利用することで、一般的なプログラミング言語9種類でもアプリ開発が出来ることで、新しい言語の習得なしに開発可能になっています。
プログラマーの負担がないということは、利用者増に繋がることは言うまでもありません。
ネム(XEM・NEM)の今後
ネムの将来性を見ていきます。
FIFAワールドカップでの導入
なんと、2022年のサッカーのワールドカップにおいて、ネムが導入されています。
現地ホテル建設のプロジェクトのマネジメントや、工事現場のチェックなどに利用される予定です。
NFTへの参入
ネムはNFTへ参入することが決まっています。
現状、イーサリアムが独壇場ではありますが、ネムの参入により、さらにNFT市場は活発化してきそうです。
DeFiへの参入
DeFi市場もイーサリアムが現状では強いのですが、同じくネムの参入により、このマーケットも盛り上がりを見せそうです。
特に、大型アップデートの際にDApps(分散型アプリケーション)開発が可能なプラットフォームのFantomと提携したことで、加速しそうです。
各国政府との連携
ネムは、セキュリティーが高い仮想通貨(暗号資産)ということで、FIFAワールドカップでもそうですが、各国の政府との連携を強めています。
マレーシア政府やUAE(アラブ首長国連邦)との連携をすでに果たしています。